Cookieレス時代のWebマーケティングはどうなる?オウンドメディアでやるべき4つのこと

Sambushi編集部です!

数年前からCookie利用に対する規制が進んでいることはご存じでしょう。しかし、この強まるCookie規制が自社のWebマーケティングに及ぼす具体的な影響を知って、どのような対策を講じていますか?

この記事では、Cookie規制が進んでいる理由や規制がWebマーケティングに及ぼす影響、そしてオウンドメディアでやるべきCookie規制対策を紹介します

Cookie規制は厳しくなる一方です。Cookieレス時代のWebマーケティングのためにも、Cookie規制やその対策について知っておきましょう。


Cookie(クッキー)とは

Cookie(クッキー)とは、ユーザーがWebサイトに訪れた際の情報を一時的にパソコンやスマホに記録する仕組みのことを言います。Cookieは、Webサイトに残る「足跡」のような役割を担っていて、ユーザーにとってはWebサイトの閲覧が便利になるものであり、企業などサイト運営者にとっては、サイト分析や広告配信などのトラッキング技術に利用できる便利なシステムです。

Cookieがマーケティングで重要な理由

Cookieは、企業のマーケティングにおいて重要な位置を占めています。
Webサイトを運営する企業は、ユーザーの個人情報や言語設定、見た商品、またその後の行動などの情報をCookieから取得してアクセス解析ができます。つまり、Cookieを使えば、ユーザーがどのようなコンテンツを見るか、どんな好みかといった興味や趣向を分析でき、Webマーケティング戦略で多分に活用できるというわけです。

1st Party Cookieと3rd Party Cookieの違い

Cookieには、1st party Cookie(ファーストパーティークッキー)と3rd party Cookie(サードパーティークッキー)の2種類があります。
1st Party Cookieは、ユーザーが閲覧している「Webサイトの運営者」が発行するCookieのこと。3rd Party Cookieは、ユーザーが閲覧しているWebサイトの運営者「以外」から発行されるCookieを指します。
たとえば、閲覧しているWebサイトにバナー広告が掲載されている場合、そのバナー広告は広告配信事業者から配信されています。広告配信事業者は閲覧しているWebサイトの運営会社とは異なるため、そのCookieは3rd party Cookieになります。

1st Party Cookieと3rd Party Cookieには、発行元以外にも特徴に違いがあります。一覧表にて確認しましょう。

  1st Party Cookie 3rd Party Cookie
発行元 閲覧しているWebサイトの運営会社 Webサイト運営会社以外の外部の第三者
管理する情報 そのWebサイト内でのアクセス情報に限定 複数サイトを通じた横断的な管理が可能
ブロック ブラウザによってはブロックされにくい
→ユーザーの閲覧履歴など、比較的正確に計測できる
ブロックされやすい
→全てのユーザー情報を取得できるわけではない

Cookie規制が進んでいる理由

Webマーケティングにおいて重要な位置を占めるCookieですが、近年規制の動きが強まっています。
なぜ、Cookie規制が進んでいるのでしょうか?その背景を見ていきましょう。

なぜCookieが問題となっているのか

Cookie規制の背景には、個人情報保護の観点があります。3rd Party Cookieがユーザーのプライバシーの侵害につながるとの見方が広がっているのです。
というのも、3rd Party Cookieを利用してユーザーの行動を継続的に追跡すれば、個人の趣味嗜好や家族構成、政治的傾向までもわかってしまうこともあります。ユーザーは、自分の意思とは関係なく、知らないうちに個人情報を抜き取られていると考えてしまうことも。本人が意図していない情報まで第三者に把握されるのは、個人情報保護の観点で大きな問題です。

誰もがインターネットを使うようになり、ネット上での個人情報の取り扱いに不安や疑問を感じる人は増えています。こうした背景から、世界的に3rd Party Cookieの利用に制限を求める動きが高まっています。

進むCookie規制ーCookieレスとは

Cookieレスとは、個人情報保護の観点から3rd party Cookieの取得が制限される動きのことを言い、「ポストCookie」や「アフターCookie」と呼ばれることもあります。
Appleは既にSafariでの3rd party Cookieの完全ブロックを行っています。
Googleは2023年後半までにChromeでの3rd party Cookieの利用を廃止すると発表しています。
こうした流れから、近年中には多くの3rd party Cookieが消滅することが予測できます。

Cookie規制がWebマーケティングに与える影響

進むcookie規制の波は、マーケティングの在り方に大きな影響を与えつつあります。具体的にはどんな影響があるのでしょうか。

リターゲティング広告が打てない

3rd party Cookieの無い世界では、リターゲティング広告(※)の配信など個々のユーザーに合ったアプローチが困難になります
しかしながら、このターゲティング広告は3rd party Cookieから取得するユーザーの行動を元にしているため、Cookie規制で使えなくなります。

※リターゲティング広告:一度サイトを訪れたユーザーをターゲットに配信する広告で、CV(コンバージョン)率が高い傾向にあるマーケティング手法の一つ。

ビュースルーコンバージョンを正確に計測できない

ビュースルーCV数(※)の把握にも3rd party Cookieを使用します。
このビュースルーCV数が正確に計測できなければ、ユーザーを惹きつける広告はどのようなものかを分析する材料を得られなくなるうえに、配信した広告の費用対効果の把握も困難になります。

※ビュースルーCV数:広告が表示されたがクリックしなかったユーザーが、後に別のルートでコンバージョンに至った数のこと。

オウンドメディアでできるCookie規制対策

Cookie規制がWebマーケティングに与える影響は大きいことがわかりました。Cookie規制は既に始まっているため、完全に中止される前に対応する必要があります。
ここでは、オウンドメディアでできる具体的なCookie規制対策を4つ紹介します。

同意管理プラットフォームを導入する

Webサイトの訪問者に対して3rd party Cookieによるデータを取得・利用する同意を得るための「同意管理プラットフォーム」の導入で、Cookie規制に対応できます

同意管理プラットフォームの導入により、Cookieデータの保持・利用の可否はユーザーに委ねられ、ユーザー自らが選択できるようになります。ユーザーがCookie同意取得に同意すれば、従来どおり3rd party Cookieデータを保持でき、マーケティング活動に活用することが可能です。もちろん、ユーザーがCookie同意取得を拒否した場合は、ユーザーデータを保持・利用できないため、3rd party Cookieを使用したWebマーケティングは行えなくなります。しかしながら、同意管理プラットフォームの設置により、ユーザーは自分が提供したデータの利用方法を把握できるうえに、データ利用の可否も自身で決められるため、Cookieに対する不安や疑念などの抑制に繋がることが期待できます。

メルマガ登録や資料ダウンロードに誘導する

Cookie規制対策として、3rd party Cookieを利用するWebマーケティングではなく、別の手法でターゲティングを行う必要があります
たとえば、フォーム入力によるユーザー情報の収集ができます。Webサイト内でメルマガ登録や資料ダウンロードへ誘導し、その際に基本情報の入力を必須にします。ユーザー自身にフォームへ必要情報を入力してもらうことで、同意のもとで得た情報の活用ができます。

ユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツを作成する

ユーザーのニーズを満たす良質なコンテンツで、サイト自体の価値を高めることも大事です。SEOを意識したコンテンツマーケティングは、広告費をかけずに集客をすることが可能です。ユーザーの課題に沿った最適な設計、ユーザーを惹きつける魅力的なコンテンツで、自社サイトを訪れるファンを増やしましょう。

SNS活用をする

自社サイト以外にSNSの活用をすることも、3rd party Cookieに頼らない、規制に対応した体制づくりにつながります
SNSは低コストでプロモーションが可能なうえに、情報の拡散能力も高く、幅広いターゲットにアプローチできます。

CookieはWebマーケティングにおける重要なツールではありますが、数多く存在するWebマーケティングツールの1つにすぎません。それ以外のツールを強化して穴埋めすれば、規制に対応した体制づくりは可能です

まとめ

オウンドメディアを運営する企業にとってCookie規制とは、3rd Party Cookieから得た情報の利用制限であり、これまでのWebマーケティング手法の変革を迫るものです。
Cookieレスは避けて通れない流れです。
3rd Party Cookieに頼らないマーケティング戦略を、できるだけ早めに立てておくことが大切です。

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