今注目の「リッチコンテンツ」とは?導入のメリットと使用例を徹底解説

Sambushi編集部です!

今回は、動画や音声を活用した動的なコンテンツ「リッチコンテンツ」について取り上げます。
リッチコンテンツはその最大の特徴である「直感的・感覚的」な訴求力を活かして企業のブランディングやユーザーの満足度向上が期待できると、多くの企業が注目し導入を進めています。

この記事では、リッチコンテンツとはどういったものか、導入のメリットは何かを解説するとともに、企業サイトでの導入事例を紹介します。
リッチコンテンツが気になっている、あるいは導入を検討しているという方はぜひ、参考にしてください。


リッチコンテンツとは?

リッチコンテンツ(Rich Contents)とは、動画(ビデオ、CG、アニメーション)や音声(音楽、ナレーション)などの動的要素を含んでいるWeb上のコンテンツのことです。
代表的なリッチコンテンツとしては、YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツ、漫画でストーリーを伝えるマンガコンテンツが挙げられます。
テキストや画像だけのコンテンツに比べて、より多くの情報量でユーザーへ直感的・感覚的な訴求ができると共に、より個性的なコンテンツでユーザーにインパクトを与えやすい点が特徴です。
Webサイトを運営する多くの企業にとって、リッチコンテンツは今後決して無視できない存在と言っても過言ではありません。

リッチコンテンツが注目されている背景

総務省の調べによると全世代におけるスマホの保有率はなんと79.7%。世代別では13〜59歳が90%以上。20〜49歳では100%以上で、1人1台以上がスマホを保有していることがうかがえます。
また、スマホの普及と重なるようにして通信環境が進化しました。数年前までは、ユーザー間で動画や音声などと認識されていたものの、昨今の通信環境の高速化・大容量化により、ストレスなくコンテンツへアクセスできるようになりました。

こうしたスマホの普及と通信環境の向上によってユーザーがどこにいてもスムーズに動画や音声の視聴ができるようになったことが、リッチコンテンツへの注目が増している背景にあります。

参考:総務省「通信利用動向調査 / 令和2年通信利用動向調査 / 世帯構成員編」

リッチコンテンツだから得られるメリット

リッチコンテンツには、テキストや画像だけの静的コンテンツとは異なった特徴があり、得られるメリットも異なります。
ここでは、リッチコンテンツだからこそ得られるメリットを3つご紹介します。

視覚と聴覚で直感的に訴求できる

動画や音声などを利用したリッチコンテンツは、視覚と聴覚の双方にアピールできるため、ユーザーにより多くの情報をわかりやすく届けることが可能です。
たとえば、DIYグッズの使い方はテキストや画像だけで伝えることもできますが、実際にDIYグッズを使って作業をしている動画を使えば、ユーザーはより直感的で簡単に理解できるようになります。

企業ブランディングにつながる

リッチコンテンツでは幅広い表現が可能なため、アイディア次第で手のかかったこだわりのコンテンツを制作することが可能です。そのため商品のイメージや企業カラーなどをより明確に伝えられ、企業のブランディングにつなげられます。
またオリジナリティ溢れるクリエイティブなコンテンツを制作すれば、ユーザーに強いインパクトを与えられ、競合他社や類似するWebサイトとの差別化が図れます。

間接的なSEO対策ができる

動画や音声を通じて、テキストや画像だけのコンテンツとは違った価値や体験をユーザーに提供することが可能です。ユーザーはコンテンツを見たり読んだりするだけではなく、実際にクリックしたりタップしたりと「体験」できます。Webサイト上でさまざまな体験をさせることで、ユーザーの満足度を向上させ、滞在時間を伸ばすことにもつながります。
ユーザーの満足度や滞在時間は検索順位を向上する要素のため、リッチコンテンツは間接的なSEO効果があると言えます。

リッチコンテンツの使用例

リッチコンテンツは企業のWebマーケティングでどのように取り入れられているのでしょうか?
企業サイトでの動画コンテンツ・マンガコンテンツ・音声コンテンツの使用例をご紹介します。

動画コンテンツ

動画コンテンツを共有するプラットフォームとしてはYouTubeやTikTokが一般的です。オウンドメディアなどに、投稿した動画のURLや埋め込みソースを使用して掲載されるケースが多く見られます。
動画コンテンツを活用する目的としては、主に、認知・集客や購買率向上、顧客満足度の向上が挙げられます。

【事例1】kurashiru
料理レシピを提供しているクラシル(kurashiru)では、料理動画としてリッチコンテンツを取り入れています。
料理レシピに沿った調理手順を1分間程度の動画として紹介することで、ユーザーは視覚的にわかりやすくレシピを学べます。また動画は、一時停止や再開、巻き戻しやスキップができるため、ユーザーは料理をしながら視聴できるという便利さも持ち合わせています。
クラシルのアプリは、2021年6月に3,000万ダウンロードを突破。動画コンテンツの活用がアプリユーザーの獲得につながった成功事例です。

マンガコンテンツ

マンガコンテンツはストーリーで情報を伝えられるため、ユーザーに興味を持ってもらいやすい特徴があります。難しいトピックをわかりやすく解説したり、商品やサービスをより身近に感じてもらったりする活用方法に適しています。

【事例2】協和キリン株式会社
バイオテクノロジーを強みとする製薬企業の協和キリンでは、マンガコンテンツを取り入れたコーポレートサイトを運営しています。「抗体・免疫」といった一般的によく知られていない分野を漫画化(『新抗体物語』)することで、ユーザーは楽しみながら自然に知識を身につけられます。
『新抗体物語』は多くのユーザーの興味を引き、シリーズは大好評。マンガコンテンツを活用して企業の認知度を大きく高めることに成功した事例です。

音声コンテンツ

インターネットラジオやPodcast(ポッドキャスト)を活用したラジオ配信などで、ユーザーが知りたい情報を「音声」として届けられます。
音声コンテンツの場合、基本的に「話す」「聞く」だけで制作とチェックができるため、テキスト・画像だけのコンテンツや他のリッチコンテンツに比べて、安価で手軽に制作できる点が特徴です

【事例3】北欧、暮らしの道具店
「北欧、暮らしの道具店」は、株式会社クラシコムが運営するライフカルチャープラットフォームです。北欧のヴィンテージ雑貨を中心にオリジナルのファッションアイテムを扱うECサイトを運営しながら、Web記事や音声コンテンツを活用して独自の世界観を発信しています。
社員同士のゆるい雑談を繰り広げるPodcastチャンネル「チャポンと行こう!」は、12,000回の再生回数を達成。リスナーからのお便りは2,000通以上届くなど、顧客との強い関係性づくりに貢献しています。

リッチコンテンツを導入する前にやるべきこと

リッチコンテンツを導入する前には、以下の3点に取り組むことをおすすめします。

  • リッチコンテンツを導入する目的を明確にする
  • ユーザーに負担のない容量を把握する
  • 競合他社の動向をチェックする

リッチコンテンツを導入する目的を明確にする

リッチコンテンツは、企業ブランディングやイメージ戦略など「運用目的」に合わせて構成・制作を進めましょう。リッチコンテンツを制作すること自体が目的(ゴール)にならないように注意することが大切です。
目的から逆算し、どのタイプのリッチコンテンツが有効か、どういった構成にするかなど戦略的に計画を立てることが重要です。

ユーザーに負担のない容量を把握する

リッチコンテンツはテキストだけのコンテンツと比べると容量が大きいため、通信環境によって表示速度が遅くなる可能性があります。表示速度が遅ければ、ユーザーはストレスを感じ、かえって離脱を促進させてしまうこともあります。
動画コンテンツなどでは時間を短く調整して通信容量が大きくなりすぎないようにしたり、1ページに複数の動画を掲載しないようにして通信エラーの出にくいようにしたりする工夫が必要です。

競合他社の動向をチェックする

リッチコンテンツを上手く活用すれば、競合他社や類似するWebサイトとの差別化が図れます。他社の動向をチェックし戦略や特徴などを把握することで、自社のポジションや強み・弱みを知ることができます。
その上で自社の商品やサービスを訴求できるオリジナルのリッチコンテンツを制作できれば、ユーザーの目を惹きつけられます。

まとめ

ユーザーに視覚と聴覚の両方で訴求できるリッチコンテンツは、上手く活用すれば、企業ブランディングの強化やユーザーの満足度向上、競合他社との差別化などに貢献します。
しかしながら幅広い自由な表現ができる分、本来の「導入目的」を見失ってしまっているケースも見られます。
重要なのは、なぜリッチコンテンツが必要なのか、その目的を見失わずに、ユーザーにアピールできるリッチコンテンツの制作を行うことです。
自社の導入目的を明確にし、目的に合った導入方法で多くのユーザーを魅了しましょう。

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