Sambushi編集部です!
オウンドメディアはただ開設し、記事を更新しながら運営すればいいものではありません。目標をきちんと達成するには、KPIを設定して効果的な運営をする必要があります。
また、「KPIの意味はわかっているし、PVやCVなどが対象となることもわかっているが、どう設定していいかわからない」と、設定について悩む方もいるでしょう。
そこで今回は、効果的にオウンドメディアを運営するためのKPIについて、次の2つを解説します。
・KPIを設定するための「SMART」の法則
「オウンドメディアを運営しているけれど、KPIがよくわからない」「これからオウンドメディアを立ち上げようとしている」といったオウンドメディア担当者は、今回の記事を参考に、オウンドメディアの運営に欠かせないKPI設定を行ってみてください。
KPIとは
まずはKPIについて、解説していきましょう。
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」などと訳されます。定めた目標に対して、達成するまでの細分化した指標や、経過を数値で表現したものがKPIと呼ばれています。
オウンドメディアの最終的な目標は、自社のブランディングや、商品・サービスの知名度向上など様々です。
しかし、その目標へ向かう途中の進行度合いを測る数値がないと、どのくらい目標まで進んでいるのかを把握することが難しいです。そこでKPIを設定しておけば、進行状況をすぐに把握でき、軌道を修正したり戦略を練りなおしたり、といった対策も行うことができます。
KPIはメディアをはじめとするWeb業界でよく使われますが、Web業界に限った話ではありません。経営戦略・事業戦略など、マーケティング分野でも使われています。
KPIとKGIの関係
KPIとセットで使うことが多いKGI。KPIを理解するうえでKGIも知っておくべきキーワードです。
KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字を取った言葉で、日本語に訳すと「重要目標達成指標」という意味を持ちます。
そのため、KGIは目標(ゴール)、その目標を達成するためにKPI(経過目標)を設定する、と考えるとわかりやすいです。
ここでいう「月50万PV」がオウンドメディアの目指す指標であるKGI、そしてそのKGIを細分化し、達成するために必要な指標を段階的に設定した「週13万PV」がKPIとなります。
他にもKPIとして設定対象となる数値は多くありますが、全体を通した最終的な目標が「KGI」で、目標を達成するための小さな目標が「KPI」と覚えておきましょう。
KPIの設定方法
KPIについて基礎部分を解説したところで、次はKPIの設定方法についてご紹介します。KPIを設定するには様々な法則がありますが、今回はそのなかから「SMART」と呼ばれる法則をご紹介します。
SMARTは、次の5ポイントの頭文字を取った言葉で、プロジェクトマネジメントや業務管理における目標を設定する際に使われる法則です。
・Measurable
・Achievable
・Relevant
・Time-bound
では、どういった意味なのか、一つずつ確認していきましょう。
Specific:明確性
Specificは、明確性です。自分が理解できることはもちろん、他人がみてもその意図や規模感が理解できるよう、具体的で明確なKPIを設定しましょう。
オウンドメディアにおける明確性があるKPIとは、PVやCVなどの数値が対象となります。また、オウンドメディアを立ち上げたばかりで実績がない場合は、PVやCVを設定するためのデータがないので、更新頻度や回数をKPIとして設定するのをおすすめします。
PVやCVといった数値ならどんな値でもいいというわけではありません。担当者が「これまでの実績からKPIはPV100万とします」と設定したとします。しかし周りからみれば、到底達成できるものではなかった時、決して明確性があるKPといえません。
自分の考えばかりが先行してしまう事態を防ぐため、KPIの設定時には複数人でのブレストを行うようにしましょう。
Measurable:計量性
Measurableは、計量性です。KGIに対して、どれくらい進行しているのかを計量できるKPIを設定します。進行状況や達成率を計量できないと、KGIを達成できそうかどうか、改善すべき点はどこかといった施策を行えないからです。
例えば、月間PV数のKPIにしたい時は下記のような簡易的な計算ができます。
このように明確性がありながら、計測可能なものをKPIに設定しましょう。
Achievable:達成可能性
Achievableは、達成可能性です。「Specific」の部分でも触れましたが、達成できなければKPIを設定する意味がありません。設定したKPIを実現可能かどうか、過去の実績などを振り返ってみましょう。
例えばオウンドメディアを立ち上げたばかりな場合のサイトで、次のような現状とKPIを設定するとします。
ライター:2人
月間記事数:20記事(各ライター10記事)
更新頻度:月20(1記事/日 更新)
ライターが2人しかいない、かつ別の業務も兼任しているため、月10記事ずつの制作が限界
PV数:1万以下
【KPI】
月間PV数:100万
上位表示される記事を多くしたい、かつ、更新頻度をあげたいので記事数を増やす。
いかがですか?現状としてライター1人で月10記事が限界であり、PV数が1万以下であるにも関わらず、月間100PVをKPIとするのは無理があります。
少々極端な例をあげましたが、無理なKPIを設定しまうことで、一緒に働くチームのメンバーに負担やストレスを大きくかけてしまうこともありえます。そのため、達成可能なKPIを設定するには、自分たちが置かれている状況を的確に分析するようにしましょう。
Relevant:関連性
Relevantは、関連性です。設定したKPIは、KGIだけでなく自分や所属する組織の目標と関連しているか確認しましょう。
部署や会社の目標と一切関連性のないKPIの場合、突き詰めると不要なKPIである可能性が高いです。
Time-bound:期限
Time-boundは、期限です。期限を設けることによって、「いつまでにどのくらい達成する必要がある」とKPIへの取り組む姿勢をつくれます。
一つ例をあげてみます。
ライター:2人
月間記事数:20記事(各ライター10記事)
更新頻度:月20(1記事/日 更新)
【課題】
月間記事数を増やして、更新頻度をあげたい
【KPI】
月間記事数:30~35記事
【施策】
・月10~15本の記事を制作可能なライターを3名ほど採用
・記事制作を今まで行っていたライターをCMSの入稿作業に集中させる
上記施策を達成するためには、様々な求人サイトやサービスを活用してライターを採用することになりますが、期限限がないままだと、時間的制約がないためダラダラと続けてしまいがちです。
1ヶ月後までに達成するのであれば、まずは3回以内にどのサイトに求人をだすのか決めて、求人内容の詳細まで決める。1週間までには掲載完了をさせる、、、といった細かいスケジュールを整えるためにも、期限を設けるようにしましょう。
KPIをあえて設定しなくてもいい
ここまでオウンドメディアにおけるKPI(またKGI)についてご紹介してきましたが、あえてKPIを設定しないという選択肢も有効です。
ブランディングやユーザー獲得など、マーケティング要素が強い目的であるならば、やはりKPIやKGIの設定は必要です。
しかし、そうでないのであれば無理にKPIを設定することもありません。今回ご紹介してきたように、KPIを設定するには関連する部署や考慮すべき対象が多く存在します。それらを調査、検討、設定をすることで、オウンドメディアを進めるスピードが落ちてしまったり、止まってしまうならば、まずはオウンドメディアを公開、コンテンツをどう更新するかといったことを調査、検討、実行するほうがよいでしょう。
必ずしも、オウンドメディア=KPIの設定が必要、といった方式が成り立つわけではないことを覚えておいてほしいです。
まとめ
KPIは、目標であるKGIを細分化して定めた、段階的な指標を指します。KPIという小さな積み重ねが、やがてKGIを達成するための糧となります。
オウンドメディアは短期決戦が難しく、中・長期的な運営と、それに伴う戦略的な考え方が大切です。やみくもに運営するよりも適切なKPIを設定し、結果につながる運営をすることが重要といえます。
今回でご紹介したSMARTの手法を使いながら適切なKPIを設定し、効果的なオウンドメディア運営を行ってみてください。