Sambushi編集部です!
近年、多くの企業がオウンドメディアを活用した事業を展開しています。
しかしながら全ての企業が上手く活用できているわけではありません。オウンドメディアをうまく事業に活かしていくためには、「オウンドメディアの目的」に合わせた運営を行うことが大切です。
この点をおさえれば、企業価値を向上させるとともに、新たな「収益」を生み出すことも可能です。
今回は、オウンドメディアの運用目的と収益化に関する大事な考え方を示したうえで、オウンドメディアでマネタイズする具体的な方法と注意点を解説します。
自社のオウンドメディアの目的を確認しながら、自社に合ったマネタイズを検討しましょう。
オウンドメディアでのマネタイズとは
オウンドメディアのマネタイズとは、オウンドメディアを活用した収益化のことを言います。
とはいっても、「収益化」イコール「儲かる」「儲ける」とは思わないことです。というのも、オウンドメディアは直接的なマネタイズ目的で運用すべきものではないからです。
収益だけのことを考えるようなオウンドメディアの運営は、本来の目的・考え方とはかけ離れたところにあります。
オウンドメディアの本来の目的は、企業や商品・サービスの認知度を上げることだったり、集客やファンの育成、ブランディングや採用問題の解決といったものです。
そのため、オウンドメディアにおけるマネタイズは、「目的」ではなく、あくまでも「目的に即して運用した結果」という認識が重要になります。
どのようにしたら商品やサービスを多くの人に認知してもらえるか、どのようにしたらユーザーからファンへと育成できるか…と、戦略を立てていく延長線上で、売り上げが出るように工夫していくこと。これが、オウンドメディアにおけるマネタイズの大事な考え方です。
オウンドメディアから直接収益を得る方法
オウンドメディアのマネタイズには大きく分けて、直接的な収益化と間接的な収益化の2通りの方法があります。
まずは、直接的なマネタイズ方法を紹介します。
広告収入を得る
オウンドメディア内に広告枠を設けたり、コンテンツ内で他社の商品を紹介することで、広告収入を得られます。具体的には、4つの方法があります。
①純広告 | オウンドメディア内に広告枠を設け、そこに他社の広告を掲載することで掲載費用を得る |
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②アフィリエイト | オウンドメディア内で他社の商品を紹介し、ユーザーが購入した場合のみ、商品代金の数%が報酬として得られる 「成功報酬型広告」とも言われる |
③アドネットワーク | Google AdSenseなどのアドネットワーク事業主と契約し、自社メディアに広告を表示させ掲載費用を得る |
④SSP (Supply Side Platform) |
SSP事業者と契約し、自社オウンドメディアの広告枠を販売することで収益化する ※アドネットワークと似ているが、アドネットワークが広告費用などを設定できないのに対し、SSPは自社の広告枠をいくらでどんな広告主に売りたいのかを設定できる |
有料コンテンツを販売する
有料記事や有料購読などのサブスクリプション、有料セミナーの開催など有料コンテンツを販売して収益を得る方法もあります。
以下のような記事は、単に情報をまとめただけの記事やコラムとは異なった価値を提供する知的財産と言えます。
- 自社事業の成功/失敗例
- 社長や社員のインタビュー記事
- 課題解決のノウハウ
- 監修者付き記事
専門性が高い記事や他社ではマネできないコンテンツは、有料記事としてマネタイズすることができるのです。
オウンドメディアで間接的にマネタイズする方法
次に、間接的に収益化する方法を紹介します。
CVを獲得する
オウンドメディアにおける最終的な成果であるコンバージョン(CV)を獲得することで、収益化につなげられます。
CVはオウンドメディアの目的によって異なりますが、具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 商品やサービスの購入
- 問い合わせや資料請求
- 会員登録やメルマガ登録
- イベント登録
これらCVを効率よく取るためには、商材のランディングページ(LP)を作成することが効果的です。
オウンドメディアの場合、LPとは、「商品やサービスの説明」と「購入」や「問い合わせ」などのCVを得るボタンが一つになったページのことを言います。
記事から関連する商品・サービスへのLPに飛ぶ仕組みを作り、CVの導線を作ることで、間接的なマネタイズが見込めます。
ユーザー情報を獲得する
訪問者の情報を獲得することで間接的に収益化につなげることも可能です。
オウンドメディアに「メルマガ登録」や「資料請求」フォームを設置することで、訪問者の企業名やメールアドレスといった情報を獲得できます。これら情報を活用してメルマガ配信や広告配信などを行い、購入意欲を高めていくことで、将来的な受注につなげられます。
継続的な情報発信でファンを獲得する
リピート率アップを狙ってファンを増やすことも、収益化につながるポイントです。
具体的には…
- 内部リンクの設置でサイトを巡回しやすくする
- 専門性の高い情報 / 他社にはない独自の情報 / 新鮮な情報を継続的に発信する
ユーザーが何度も閲覧したくなるような充実したサイトを作り、ファンを獲得できれば、継続的な収益化が望めます。
一見、すぐに利益に結びつかなそうな間接的なマネタイズ方法は、長い目で見るとファンを増やす工夫を行っていくことから、こちらの方がファンやリピーターを増やし、オウンドメディアの寿命を延ばすことになります。
ただしこれら間接的にマネタイズする方法は、すぐに売り上げに直結するものではありません。
CVの獲得においてもファンの獲得においても、ユーザーのニーズを正しく理解した上での対応が必要です。そのために、PDCA(※)を回しながら現状を分析・改善しながら取り組むことが大切です。
※Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字で、「継続的な改善方法」のこと
収益化に取り組む際の注意点
オウンドメディアのマネタイズに取り組む際には、注意すべきポイントがいくつかあります。
オウンドメディア運用の目的を妨げる場合もある
オウンドメディアの運用目的によっては、収益化のための対策が本来の運用を妨げる場合があります。
「自社のブランディング」や「採用」目的で運用するオウンドメディアはその一例です。というのも、メディア側ではアドネットワークで表示される広告を完全にはコントロールできないからです。
例を挙げるなら、「求職者に自社のことを知ってもらい採用エントリーへと繋げる」目的で運用している幼児向け玩具メーカーのオウンドメディア内に、ゾンビ系ゲームの広告でセンシティブな画像が表示されることもあるということです。
これではブランドイメージを損なう可能性があるうえに、求職者に必ずしも良い印象を与えるとは限らず、本来の採用ブランディングという目的からは大きくズレることになってしまいます。
オウンドメディアの運用目的によっては、一部マネタイズ手法との相性が良くないケースがあることを理解した上で、自社のマネタイズ化の方向性を考える必要があります。
一定数のアクセス数が必要
オウンドメディアにおけるマネタイズの大前提として、サイトへのある程度のアクセス数が必要です。ユーザーによるアクセスがなければ収益の元となるものがありません。
アクセスが少ない場合は、まずは流入数を増やすことから考える必要があります。
流入を増やすには、SEO対策やSNS活用が有効です。
SEO対策をしっかりと行えば、検索結果からの流入を継続的に得られるようになります。SNSを活用して情報を発信すれば、その優れた拡散力で多くのアクセスを集められます。
結果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアのマネタイズは、効果が出るまでにある程度の時間がかかります。
オウンドメディア内のコンテンツ記事などがGoogleから評価されて検索結果上位になり、そこから流入が得られるまでには一定の時間がかかります。
また、オウンドメディアへの流入が得られるようになった後にも、ユーザーをリピーター、そしてファンへと育成していく必要があります。そのためにはPDCAを回しながらの継続的なアクションが必要です。
なかなかマネタイズにつながらない…と、焦る必要はありません。オウンドメディアの本質・本来の目的を念頭に置き、まずは質の高いオウンドメディア作りから始めましょう。中長期的な戦略設計で進めることで、大きな成果につながります。
まとめ
オウンドメディアの本来の目的である認知度アップやブランディングなどに貢献しながら、そこで収益化するというのは、一見すると相反するように思えます。しかし、マネタイズをオウンドメディア運用戦略の延長線上と考えうまく組み合わせれば、実現は可能です。
オウンドメディアの収益化には、長い道のりが必要ですが、一度軌道に乗りさえすれば高い費用対効果を上げることができます。
自社のオウンドメディアの目的に沿った方法で、安定したマネタイズの実現を目指しましょう。