採用ブランディングとは、「働くならこの会社が良い」と求職者に感じてもらうために自社をブランド化することを言います。本記事では、採用ブランディングのメリットとデメリット、具体的な手法、成功事例を紹介します。ぜひ自社の採用ブランディングの参考にしてみてください。
採用ブランディングとは
採用活動を効率良く成功させるために不可欠なのがブランディング。ここでは、採用ブランディングの定義と目的を解説します。
定義:採用においての自社のブランド化
採用ブランディングとは、採用の場において自社をブランド化させることを言います。
具体的には、求職者が「この業界で働くならあの会社だ」と思えるよう、自社の経営理念・労働環境・市場での役割・今後の方針などをアピールすることです。
これらは、募集ページや求職者とのコミュニケーションの場で行われます。
目的:自社が求める人材とのマッチング率向上
採用ブランディングを行う目的は、自社に適した人材とマッチングしやすくするためです。
募集時に自社のありのままの姿・最大の魅力を伝えておくことで、自社に共感する人材が集まりやすくなります。また、内定が決まるまでも採用ブランディングを意識しておけば、自社が求めるような人材が自然と残るようになるでしょう。
採用ブランディングのメリット4つ
採用ブランディングを行うメリットは、企業認知度が上がる・競合との違いをアピールできる・自社が求める人材と出会える機会が増える・採用コストを削減できるなど。
ここでは、それぞれのメリットを解説します。
1.企業認知度が上がる
採用ブランディングが良い方向へと進んでいけば、「働きがいのある良い会社だ」という印象が広まっていきます。そうすると、今まで狭い範囲でしか知られていなかった自社の存在が、次第に大きくなっていくでしょう。
中小企業やスタートアップ企業、ベンチャー企業などは特にメリットと言えます。
2.競合との違いをアピールできる
採用の競争率が高い現代において、競合との違いをアピールできる採用ブランディングは重要です。
採用ブランディングでは、企業理念や社風、働き方といった「自社ならではの魅力」を掲げましょう。それらに共感する求職者は、他社以上の興味を持ってくれるはずです。
3.自社が求める人材と出会える機会が増える
嘘偽りのない採用ブランディングができていれば、自社が求める人材と出会う機会が増えるでしょう。
過剰に良く見せようとすれば、それに期待を抱いた求職者が応募することになります。しかし、それでは本来の自社に共感する人材が手に入ることはありません。
自社がどのような信念のもとで仕事に取り組み、現在どのような人材を求めているのかを正直に伝えるようにしましょう。
4.採用コストを削減できる
採用ブランディングが成功すれば、採用コストを抑えることができます。
採用コストとは、採用に関わる資金のことです。採用ブランディングによって効率的に内定者を獲得できれば、人件費や採用システム、会場費などを最小限にできるでしょう。
詳しくは「採用コストとは?内訳・一人当たりの平均・削減方法を解説」の記事をチェックしてください。
採用ブランディングのデメリット2つ
採用ブランディングが成功すればメリットは多いです。しかし、そう簡単に成功できるものではありません。
ここでは、採用ブランディングのデメリットを2つ解説します。
1.社内全員の協力が必要となる
採用ブランディングで掲げる自社の魅力は真実である必要があります。例え素晴らしい経営理念・制度があったとしても、それらが実現されていなければ意味がないのです。
しかし、社内全員がより良い会社であることを目指し、それを担保することは容易ではありません。常日頃から、社員同士のコミュニケーションを大切にする・社員の不満に耳を傾け改善に努めるなど工夫していきましょう。
2.効果を実感できるまでに時間がかかる
採用ブランディングを始めたとしても、すぐに効果を実感できるとは限りません。
多くの場合、ブランディングによって採用がスムーズになったと思えるのには数ヶ月・数年とかかります。
採用ブランディングを成功させるには、根気強く継続することがポイントです。
採用ブランディングの具体的な方法
それでは、採用ブランディングの具体的な手法について解説していきます。
Step1.採用活動の目的を考える
まずは採用活動をする目的とは何かを明確にしましょう。
例えば、「〇〇部署で経験豊富な人材が不足しているから」などです。ここがハッキリすることで、ミスマッチな人材を採用する・合わない手法を導入するなどの失敗を防げます。
Step2.ペルソナを設定する
続いてペルソナを設定してください。ペルソナとは、年齢・経歴・性格・実績などと細かな点まで思い描く人物像のことです。この基準があれば、自社に適した人材・不足している分を埋めてくれる人材が見つけやすくなるでしょう。
Step3.採用コンセプト・発信情報を決める
ペルソナが決まったら、「求職者にどのようなイメージを抱いてもらいたいか」というコンセプトを明確にし、具体的な発信情報の内容を決めます。
もしもコンセプトが「求職者には安心して働ける職場だと思ってもらいたい」であれば、研修制度・メンター制度・普段の社員達の談笑風景などを発信するといった具合です。
Step4.発信手法を厳選する
続いて決めるべきは発信手法です。自社が求める人材はどのような媒体を用いて求職活動を行なっているのかを考え、適切な手法を取り入れてください。
Step5.根気良く運用を続ける
ここまで決定すれば、後は根気良く運営していくのみ。成果が出るまでには時間を要しますが、トライアンドエラーを繰り返していくうちに良い結果が得られるはずです。焦らずじっくりと取り組んでいきましょう。
採用ブランディングに成功した有名企業の事例
最後は採用ブランディングを行なって成功している企業の事例を紹介します。以下の事例を参考に、自社の取り組みについて考えてみましょう。
株式会社一休の事例
宿泊施設やレストランなどを紹介している一休。公式サイトを見ると、なんともラグジュアリーで落ち着いた印象があります。実際に選考を受ける学生達も、そのような印象に憧れている状態でした。
しかし、実際の現場は明らかなベンチャーです。応募してくる学生との認識のズレに悩まされていました。
そこで取り入れたのが、採用ターゲットが読みそうなメディアで現役社員のインタビュー記事を掲載する、CEOが行うワークショップ型のイベントを開催するといった対策です。これらにより、応募者へ嘘偽りのない現状を伝えることができました。
パナソニックの事例
2017年、パナソニックは採用ブランディング課を設けました。課の人間はターゲットである新卒の学生たちに、「どのような悩みを抱いているか」というインタビューを1年もの間続けました。そこで集めた情報をもとに、SNSなどで発信すべき内容を定めたのです。
そして課を設立してから2年、発信を続けたSNSではシェア・いいねの総数を16倍にもすることができました。自社が求める人材から、大きな共感を得ることに成功したと言えるでしょう。
採用ブランディングに取り組もう
採用ブランディングが成功すれば、より効率的に採用活動を行えます。計画を徹底し、根気良く継続していきましょう。
またブランディングをするなら、Wantedlyがおすすめです。雇用条件ではなく企業理念・社風などをメインにブランディングできる環境が整っているため、大手企業とも戦いやすいでしょう。なかなか採用効率が上がらない・自社が求める人材に出会えないなど、運用に悩んだら代行業者のリファイドに相談してみてください。