オウンドメディアを運用するにあたって、記事コンテンツの制作はメイン業務ともいえる重要な作業です。
ライターに外注で記事を書いてもらうには、まず”構成案”と呼ばれる記事のベースを作る必要があります。しかし、構成案の完成度が低いと、外注したライターに記事の意図をくみ取ってもらえず、希望通りの記事にならないまま修正作業に追われることも珍しくありません。
この記事では、外注ライターへ意図が伝わる構成案について解説します。「ライターに記事制作の外注を考えているけれど、具体的にどのような構成案を作ればいいかわからない」という方はぜひ参考にしてください。
1. 構成案とは?
ひとえに”構成案”という言葉を聞いても、ひとによって思い浮かべる構成案は違います。記事の内容を簡潔にメモ書きしたようなものや、タイトルと見出しを指定しているもの、各見出しのライティング内容や参考サイトを提示しているものまでさまざまです。
とくにメモ書きのような構成案は、意図を理解している自分ならまだしも外注ライターへ渡すものとしては情報不足な場合が多く、結果として記事の方向性がブレてしまうこともあります。
構成案は記事のベースであり、クオリティを左右する大切な要素です。たとえ外注ライターがライティングのプロであろうと、構成案から記事の意図をくみ取れなければ良い記事を書いてもらうことはできないと考えておきましょう。
2. ライターのスキルを確認
記事制作を外注する上で大切にしたいポイントは、外注するライターのスキルです。
オウンドメディアにとって良い記事になるかどうかは、構成案とライターのスキルによって決まるといっても過言ではありません。
担当者としてライターに求めるべきスキルは文章力とライター経験、そして専門分野です。
2-1. 文章力とライター経験
外注ライターに記事制作を依頼する場合、前提として自社が求めている記事を制作できるか判断する必要があります。
面識のないライターの力量を見極めるポイントは、ズバリ「文章力」と「ライター経験」です。
文章を組み立てる構成力、誤字脱字や表記揺れを出さない校正力、さらには正しい情報を調べるリサーチ力など、ライターに求められる総合的な文章力が備わっているかを判断しましょう。
ライター経験が浅いと文章力も低い傾向にあり、外注しても自社の求める記事にならずに内容の薄い低品質な記事を量産してしまう可能性があるため要注意です。
豊富なライター経験があれば基礎的な文章力は問題ないと考えられますが、過去に制作した記事を見せてもらったり、お試しで記事を書いてもらう「テストライティング」を行ったりすると、担当者とライター間でのミスマッチを減らせるでしょう。
2-2. どんな専門分野を得意としているか
職業的な意味合いでライターといっても、SEOに強い記事が書けるライターや、国家資格を取得し専門知識を持っているライターなど、個人によってさまざまな専門分野があります。
自社が運営するオウンドメディアのジャンルにもよりますが、専門性の高い記事を制作したい場合、外注するライターがどんな専門分野を持っているか把握することが大切です。
とくにライターが取り扱っている記事ジャンルの当事者だと、本人の経験や知識が信頼性の高い1次情報となるため、必然と高品質な記事を制作することが可能です。
珍しい専門分野を持っているライターほど報酬単価が上がりますが、予算と相談しながら良質な記事を確保するための必要経費と割り切ることが大切でしょう。
3. 細かい構成案を提供する
自社が求める記事を外注ライターに書いてもらいたいのであれば、細かく練った構成案を提供するように心がけることが重要です。
冒頭でもお伝えしたように構成案は記事制作のベースであり、クオリティを決める大切な要素。簡潔なメモ書きのような構成案はできるだけ避けて、誰が見ても記事の概要や目的がはっきりとわかるような構成案にすることが望ましいです。
ここからは「細かく練った構成案とはどのようなものか」について見ていきます。
3-1. 小見出しまで構成案を作っている
ライターの記事を求めているレベルに近づけるためには、タイトル・見出し・小見出しまで構成案を作り込むことです。
記事の内容が薄く低品質になってしまう原因の1つとして、インターネット上にある既存の記事をリサーチしてライティングする制作工程にあります。
SEO施策として検索上位の記事を参考にすると、見出しや記事の流れが似たような内容になってしまい、結果として水で薄めたような薄い量産型記事になることが多いです。
そのため、劣化コピーのような記事にならないよう小見出しまで入れた構成案を作ると良いでしょう。さらにいえば、見出しごとにどんな内容をライティングしてほしいかまで書いておくのがベストです。
また、外注の一環として構成案の作成もライターに依頼する場合があります。
その際はとくに記事の軸がブレないよう、記事制作におけるレギュレーションやオウンドメディアのコンセプトなどをしっかりと共有しましょう。
3-2. 参考サイトを提供する
外注ライターに記事の完成イメージを想像してもらうには、参考サイトを提供するのがおすすめです。
どんな記事を書いてほしいかの擦り合わせは、オウンドメディア担当者の仕事。しかし、外注ライターが相手だと打ち合わせや連絡を対面ではなくチャット・メール等で済ませることが多いため、記事制作における意思疎通が十分に取れていない可能性があります。
そんなときに参考サイトがあれば視覚的に記事の完成イメージを共有できるため、納品されてから「イメージしていた記事と違った」という事態を避けることができるでしょう。
4. 記事の目的をきちんと共有する
ライターに構成案だけで意図を伝えたい場合、もう1つ必要なものがあります。それは記事の目的です。
制作を依頼する記事、ひいてはオウンドメディアのターゲット読者(ペルソナ)は誰なのか?ターゲット読者に読後どんな行動を起こしてほしいのか?という目的を、ライターへしっかりと共有しましょう。
SEOコンテンツを主軸としている場合、競合他社への情報漏洩を警戒して外注ライターに掲載するサイトを教えない担当者もいます。
しかし、記事の目的や掲載サイトを共有することによって、ライターはオウンドメディアのコンセプトや記事の意図を把握でき、求めている記事に近づけやすくなります。
また、それらの共有事項をおろそかにしたせいでイメージとまったく違う記事が納品された場合、構成案の再構築や依頼そのものの見直しを余儀なくされることがあります。
契約時に打ち合わせていなかった範囲での修正が発生すると契約外だからと断られたり、追加料金を請求されたりといったトラブルに発展する可能性も否めません。
本来であれば不要な修正作業や追加の請求に悩まされないためにも、事前にライターと記事の目的を共有し、イメージ通りの記事を納品してもらうことが大切でしょう。
5. まとめ
ライターは文章作成に関する知識やスキルを持っていて、オウンドメディアのメインコンテンツである記事制作に役立つ存在です。
しかし、構成案から記事の目的がくみ取れないとスキルを存分に発揮できず、良質な記事を制作することが難しくなります。そうならないためには、担当者とライターの間で綿密な意思疎通を図りましょう。
具体的には小見出しまで作り込んだ構成案を提供したり、参考サイトや記事の目的を共有したりすることが大切です。
意図がしっかりと伝わった上で制作された記事は、オウンドメディアへのアクセス数やコンバージョン率に大きく影響します。
記事制作を外注したいと考えている方は、ライターにすべてを任せるのではなく、綿密な構成案を作成し、参考サイトや記事の目的を提供してみてはいかがでしょうか。
(画像はpixabayより)