在宅勤務手当の相場はいくら?課税ルールや導入するメリット・デメリット

在宅勤務手当とは、在宅勤務で発生する光熱費や通信費、仕事用品を揃えるのに必要な費用をサポートするもの。在宅勤務の普及とともに、在宅勤務手当を支給する企業も増加しています。本記事では、在宅勤務手当の相場や課税ルールと支給方法、導入時のメリット・デメリットなどを紹介します。


在宅勤務手当とは?意味や支払いの義務など

ここ数年で見聞きする機会が増えている、在宅勤務手当という言葉。働き方の多様化によって、導入をする企業が増えてきています。まずは、在宅勤務手当の意味や浸透してきた理由、支払い義務の有無から見ていきましょう。

在宅勤務をする従業員に支払う手当のこと

その名前の通り、在宅勤務手当は在宅勤務をする従業員に支払う手当のことです。別名「テレワーク手当」と呼ばれることもあります。

オフィスでは、エアコンやパソコンの使用にかかる電気代や、ネット通信費などはすべて会社負担です。しかし在宅勤務では、従業員の自宅にかかる光熱費や通信費の負担が増えます。

これらの費用は仕事をする上で欠かせない必要経費なので、会社から在宅勤務手当を支給します。

在宅勤務手当が浸透している理由

昨今、在宅勤務手当を支給する企業が増え始めています。その背景には、働き方の多様化があります。新型コロナウイルスの流行により、多くの企業が在宅勤務を導入するようになりました。

在宅時間が増えることによって、光熱費や通信費の負担が増加する他に、従業員のモチベーションが低下するといった懸念が生まれます。在宅勤務手当は、それらの懸念を払拭する目的で徐々に浸透しています。

在宅勤務手当の支給は義務ではない

企業が在宅勤務手当を支払う義務はなく、支払わない場合も法律違反にはなりません。在宅勤務にかかる経費を、従業員の全額負担とすることもできます。ただし、その場合は就業規則の変更が必要です。

事実、人材派遣会社の「エンワールドジャパン」が行ったアンケート調査※では、67%の企業が在宅勤務手当を支給していないと回答しています。

とはいえ、やはり従業員からすると全額負担は納得がいかないこともあるでしょう。従業員の負担軽減や仕事へのモチベーション維持のためには、在宅勤務手当を導入するのが望ましいといえます。

※参照:https://www.enworld.com/blog/2020/12/survey-20201225

在宅勤務手当の相場と課税ルール、支給方法

従業員に在宅勤務手当を支給する場合は、支給額や支給方法を定める必要があります。また、課税ルールの把握も必要不可欠です。ここでは在宅勤務手当の相場と支給額の実例、課税ルールと2つの支給方法を紹介します。

相場は数千円

在宅勤務手当の支給額は企業によって異なりますが、平均すると1,000〜5,000円のようです。この金額は、大手であっても中小企業であっても大きな差は見られません。在宅勤務手当を支給している企業の実例を見ていきましょう。

  • 株式会社日立製作所:3,000円/月 ※1
  • 富士通株式会社:5,000円/月 ※2
  • note株式会社:500円×勤務日数 ※3

その他にも、株式会社LINEでは緊急事態宣言中のみ、在宅勤務にかかる費用などを含む「新型コロナ対応手当」として月額5,000円を支給していました。※4

※1参考:https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/05/0526.html

※2参考:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/07/6.html

※3参考:https://note.jp/n/n8be76c501925

※4参考:https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2020/3089

課税ルールは支給方法によって異なる

在宅勤務手当は、課税対象と非課税対象に分かれます。

用途を定めずに「毎月〇〇円」と決まった額を支給する場合は、給与と同列に扱われるため課税対象です。

一方、従業員が在宅勤務に必要な物を購入する度に、実費分の現金を支給する場合は非課税となります。

支給方法は2種類ある

在宅勤務手当は、現金支給と現物支給の2種類があります。どちらの方法が自社に合うのか考えてから導入を決めましょう。

<現金支給>

多くの企業が選んでいるのは現金支給です。基本的には給与へ在宅勤務手当を上乗せして支給します。現金支給は従業員が自由に使えるからこそ、企業が想定していない使い方をされる恐れがあります。現金支給をする際は、在宅勤務にかかわるものに使用するなど、用途を従業員へ説明すると良いでしょう。

<現物支給>

在宅勤務で使う椅子など、現物を従業員に支給する方法です。一般的には、会社が指定する家具メーカーのカタログから必要な物を従業員に選んでもらいます。実際の用途が不透明な現金支給と違い、在宅勤務に必要な物を支給できる点が現物支給のメリットです。

しかし、従業員の自由度は下がりますので、不満を抱く人が出てくる恐れがあります。

在宅勤務手当を導入する4つのメリット

在宅勤務手当の支給は、従業員と企業の双方に多大なメリットがあります。今回は、コストの削減や働き方の多様化、従業員のモチベーションアップと業務効率の向上という4つのメリットを見ていきましょう。

1.コストの削減につながる

従業員が在宅勤務をするということは、通勤にかかる費用、つまり通勤手当が不要になります。50人の従業員を抱え、1人あたりの通勤手当が1万円と仮定すると、実に毎月50万円も経費が削減できます。

在宅勤務手当として月に5,000円支給する場合は、1人あたり月に5,000円のコストカット。これを年間で計算すると、50人で25万円ものコストが削減できます。

一般的に、支給額は通勤手当よりも在宅勤務手当の方が低い傾向にありますので、在宅勤務手当を支給することでコストの削減につながるでしょう。

2.働き方の多様化を実現できる

在宅勤務を導入し、なおかつ在宅勤務手当を支給することで、従業員は会社と自宅、どちらで働くのか選択できるようになります。働き方の多様化を実現すると、育児や介護などと仕事を両立させたいと願う人も安心して働けます。従業員の働きやすさが向上すると、自ずと定着率もアップするでしょう。

3.従業員のモチベーションが高まる

在宅勤務手当の支給は義務ではないといえ、全額負担は従業員のモチベーションを低下させる要因になりかねません。在宅勤務手当を支給することで、従業員は「会社が自分を理解・サポートしてくれる」と感じるでしょう。不満や生活への不安が解消されることで、従業員のモチベーションが高まるはずです。

4.業務効率が向上する

在宅勤務では、従業員が自分の働きやすい環境に整えられるのがメリットです。しかし、今まで会社勤務だった人が急に在宅勤務になった場合は、仕事で使う机や椅子などを揃える必要が出てくるでしょう。

揃える物が多いほど従業員の費用負担は膨らみますが、在宅勤務手当があれば家計への負担が軽減できます。なおかつ、自分に合う物を購入できることで業務効率の向上が見込めます。

在宅勤務手当を導入する3つのデメリット・注意点

従業員に在宅勤務手当を支給する場合は、原資の確保や支給に関するルール整備、給与システムの設定変更などが必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.在宅勤務手当の原資を明確にする必要がある

先述したように、通勤手当を在宅勤務手当の原資にするのが一般的です。しかし、業務内容などによっては出社が必要な日も出てくるでしょう。そのような場合は、出社した日のみ交通費を立替精算するといった仕組みづくりが求められます。

また在宅勤務手当は、もともと支給していた通勤手当の支給額、つまり原資の範囲に収めることも大切です。

2.支給に関するルールの整備が欠かせない

在宅勤務手当を導入する際は、ルールの整備が必要不可欠です。在宅勤務の対象者や手続き内容の他に、仕事にかかわる光熱費や通信費の支給ルールなどを就業規則に追加します。

光熱費や通信費を現金支給する場合は、業務で使用する分の計算が必要です。割合の計算に迷った時は、国税庁が公開している「在宅勤務にかかる費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」※を参考にする方法があります。

※国税庁「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0020012-080.pdf

3.給与システムの設定変更などが必要になる

先述したように、在宅勤務手当の現金支給は課税対象なので、所得税の税額を計算する必要が出てきます。誤りが生じないよう、給与システムの設定変更が必要です。

在宅勤務手当を定額で支給する場合は、社会保険や労働保険の対象となるため、給与システムの設定が間違っていると保険料にも影響が生じます。設定などに不安がある場合は、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談すると安心です。

在宅勤務手当の支給は求人情報でアピールを

以前よりも在宅勤務が普及している今、在宅勤務手当の支給は募集時の大きな強みとなります。採用活動を行う際は、在宅勤務や手当の導入を自社の魅力の一つとしてアピールしましょう。300万人以上のユーザーが登録している採用オウンドメディア・Wantedly(ウォンテッドリー)なら、アピール手段が豊富です。ここでは、具体的な方法を紹介します。

Wantedlyのストーリー機能で紹介する

ユーザーと企業が“共感”でマッチングするのが、Wantedlyの特徴です。自社の魅力をアピールするのに適しているのが、Wantedlyのストーリー機能。いわゆるブログのようなもので、形式や内容に決まりはありません。例えば従業員へのインタビュー記事や、自社の日常を綴った記事、自社の文化を伝える記事などを自由に作成できます。

このストーリー機能を使って在宅勤務や手当の導入をアピールすれば、多くのユーザーの共感を得られるでしょう。

また、スカウトメールを受け取ったユーザーの多くは、どんな企業なのか知るためにストーリーを見にいきます。その際に在宅勤務や手当に関する記事が目に入ると、マッチングする確率が上がるはず。ストーリー機能を活用して、自社の魅力を存分にアピールしましょう。

運用代行を活用する方法もある

Wantedlyでは、メインページや募集要項、ストーリー記事やスカウトテンプレートなどを企業が作成する必要があります。ですので、Wantedlyの導入を検討している中で「人手不足でそこまで手が回らない」「どうやって運用して良いのか分からない」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、株式会社リファイドが行っている運用代行サービスです。以下のようなサービスを代行しますので、企業の抱える負担や悩みを解消できます。

<リファイドが代行できるサービス例>

  • メインページ作成
  • 募集記事作成
  • ストーリー記事作成
  • スカウトテンプレート作成
  • 応募者への一次対応
  • 応募者管理

「何から始めれば良いのか分からない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。

在宅勤務手当の導入や、募集時のアピールを検討してみては

働き方改革や、新型コロナウイルスの流行で導入が求められている、在宅勤務。そのサポートとして支給する在宅勤務手当は、既存の従業員の満足度や定着率アップだけでなく、採用活動時の大きな強みとなります。在宅勤務手当やWantedlyを導入し、自社の魅力を存分にアピールしてはいかがでしょうか。

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