いい文章を書きたい!
自分が書いた記事を多くの人に読んで欲しい!
ライターであれば誰もが思うことではないでしょうか。
そこで今回は、文章を磨き上げ、より良いものにするための推敲・校正・校閲について取り上げます。
それぞれの意味や作業の違いを確認しながら、推敲する際のコツやチェック方法を紹介していきます。
磨き上げられた文章で、より多くの人を魅了しましょう!
推敲とは
推敲(すいこう)とは、文章を自分で何度も練り直し、より良い表現にするために修正を重ねる作業のことです。言葉遣いは適切か、わかりにくい表現はないか、もっと他に良い表現はないか、と考えながら執筆していくことで、読み手を惹きつける洗練された文章を作れます。
そして、この推敲をどれくらい深くやるかで、「文章の良さ」が決まってきます。
推敲と校正・校閲の違い
推敲と似た言葉に校正(こうせい)と校閲(こうえつ)があります。これらは、「文章をより良いものにするための作業」という点においては共通していますが、作業の目的やチェックする対象、また誰が作業を行うかといった点が違います。
校正との違い
校正とは、文章内の誤字や脱字、誤植や文法ミスなど「文字に関すること」を修正する作業です。文章の間違っているところや表現がおかしなところを正すのが主な目的で、文章のマイナス点をなくしていくイメージです。
一方、推敲は、どの表現がよりわかりやすいか、より意図が伝わる言葉はどれかと、文章のプラス点を増やしていく作業。
推敲と校正には、足し算か引き算かという大きな違いがあります。
校閲との違い
校閲とは、文章の内容や表現の適否・正誤など「表現方法や文意」までをも修正する作業です。文章を修正する点は推敲と似ていますが、校閲の目的は書かれている内容の事実確認です。そのため校閲の作業は、推敲のようにより良い表現に修正するといったものではなく、原稿内容のファクトチェックや文章に矛盾がないかといった確認になります。
推敲・校正・校閲の作業担当者
推敲と校正・校閲はそれぞれ作業内容や目的が異なり、またこれらの作業は別の者が担当することが望ましいです。
一般的に、推敲は納品・提出前ににライター自身が行い、校正・校閲は、ライター以外の第三者が執筆が完了した原稿をチェックする作業を指します。
もちろん、業務上どうしても自分で書いて校正も校閲もせざるを得ないといったケースもあるでしょう。しかし、ライターが自分が執筆した文章に対して、思い込みに引っ張られずに客観的に間違いを探すことには限界があります。
そのため、できる限りライターは執筆・推敲を担当し、ライター以外の第三者が校正・校閲を行うことをおすすめします。こうした役割分担をすることで、客観的な視野が入った改善が期待できます。
推敲する際の5つのポイント
文章を推敲する際には、どんな点に気を付ければいいのでしょうか。より良い文章にするための推敲のポイントを5つ紹介します。
読みやすい文章になっているか
どんなに良い内容が書かれている文章でも人に読んでもらえなければ意味がありません。そのためには、読みやすい文章を書くことが必要です。
具体的には、以下のような文章が読みやすい文章と考えられます。
- 一文が長すぎない
- 適度な改行がある
- 段落ごとの分量が適切
- 漢字とひらがなのバランスが良い
文体が統一されているか
文体(「ですます調」と「だ・である調」)はどちらかに統一しましょう。
文体が混在した文章ではリズムが悪く、読みにくいものになってしまいます。
「ですます調」は、丁寧語で柔らかく親しみやすい印象を与え、「だ・である調」は、断定的で強い意志を感じさせます。
文体によって読者に与える印象を考慮したうえで、どちらかの文体を使用し、混在によってぎくしゃくした違和感のある文章にならないようにしましょう。
文末表現が単調になっていないか
単調な文末表現は読みやすいとは言えません。淡々とした文章になり過ぎて内容が頭に入りにくく、全体的に素人っぽい印象を与えてしまいます。
文章は、文末表現によって印象が大きく変わります。体言止めや倒置法などを適所に使うことで文末に変化を与え、心地いいリズム感のある文章を目指しましょう。
専門用語には説明を加えているか
専門用語のような一般的ではない言葉に説明を加えると、読者にとって易しい文章になります。たとえば、専門用語の前に「〜である〇〇」のような解説を置いたり、別の文章で説明を加えたり、より簡単な表現意言い換えたりすることで、読者の理解度はぐんと向上します。
漢字や言葉の使い方が間違っていないか
漢字や言葉の使い方に注目して文章を読み直すことも大事です。どんなに内容が良くても、言葉遣いに誤りがあれば信頼性が低下してしまいます。
まずは、誤字・脱字のチェック、そして言葉の使い方や表現がおかしくないか、その表現で意図が読者に伝わるかといった点をチェックしましょう。作家、ライターであれば当たり前のことですが、辞書を引くことを面倒くさがらずに何度も行うことが重要です。
文章をチェックする方法
推敲のポイントを抑えたところで、実際に文章を推敲するにはどうすればいいのか、効果的なチェック方法を紹介します。
音読する
声に出して音読することは、効果的な推敲方法のひとつです。文章を声に出して読みあげることで、目だけではなく耳でも文章を確認できるため、推敲の精度が向上します。
たとえば、音読をしてみて息継ぎの余地がないと感じれば、一文が長すぎるということです。長すぎる文章は読み手にとって読みにくい印象を与えてしまいます。
他にも、リズム感が感じられなければ、単調な言い回しや文末表現が続いているということです。それでは読者が退屈に感じてしまいます。
音読して引っかかった部分は修正し、なめらかに読み上げられるような文章に改善しましょう。
時間を置いてから読む
仕上げた文章はしばらく時間を置いてからチェックしましょう。
時間を置くことで、新たな気持ちでより客観的に文章を読めます。そのため、執筆時には気付けなかったミスが見つかることもあります。
文字校正ツールを利用する
数ある文字校正ツールの中には、推敲に役立つものもあります。「文賢」や「文章チェッカー」など無料で利用できるものも多いので、必要に応じて使うといいでしょう。
ただし、校正ツールはあくまでツールでしかありません。ツールのみで推敲作業を終わらせるなど、あまり頼りすぎることのないように注意しましょう。
まとめ
推敲・校正・校閲は文章を磨き上げ、より良いものにするうえで欠かせない作業です。
時間を置いたり、音読したり、ツールを利用するなどして推敲を重ね、原稿の質を高めましょう。
推敲のポイントは、読み手の立場に立って、読みやすくリズム感があり信頼できる文章を心がけることです。是非、読者視点を取り入れた良質な記事を作成していってください!