ChatGPTの台頭と急成長|AI技術の適切な活用を考える①

デジタル時代において、私たちの日常にはAIが溶け込んでいます。特に、ChatGPTを始めとする自然言語処理AIは、その存在感を急速に増しています。
では一体、ChatGPTは私たちの生活にどのように寄り添い、ビジネスや日常生活にどのような変化をもたらしているのでしょうか?

この記事では、ChatGPT普及の背景とChatGPTのできること、そして実際の活用事例をまとめました。普段からChatGPTを活用している方もそうでない方も、ChatGPTについて深く理解する第一歩としてお役立てください。


ChatGPTの活用の現状

ChatGPTは、世の中に急速に普及し、その活用が広がっているAIテクノロジーの中でも特筆すべき存在です。ここでは、ChatGPTの現在の利用状況とその背後にある要因を探ります。

ChatGPTの急速な普及

ChatGPTの急速な普及は、デジタル技術の進歩の中でも驚異的なものです。2022年11月に公開されたChatGPTは、わずか2ヶ月で世界のユーザー数が1億人に達しました。ユーザー数1億人に達するまでには、TikTokが9か月、Instagramが2年4ヶ月という時間を要したことと比較すると、ChatGPTがどれだけ急速に浸透しているかがわかります。

引用:NRIナレッジ・インサイト「日本のChatGPT利用動向(2023年6月時点)」

野村総合研究所(NRI)の「ChatGPTに関する2023年6月調査」によると、日本国内でのChatGPTの認知度は69%に達し、実際に利用したことがある人も15%に上っています。
なお、日本のChatGPT利用率は、他国と比較しても高く、国別トラフィックシェアで米国、インドに次いで3位に位置しています。

参考:NRIナレッジ・インサイト「日本のChatGPT利用動向(2023年6月時点)」

ChatGPTの活用が広がっている背景

ChatGPTの爆発的な普及の背景には、ChatGPTのもつ驚異的な性能にあります。
ChatGPTの元々のモデルは、2018年に発表されたGPT-1でした。その後、技術的な進歩によりアップデートが繰り返され、AIモデルの規模拡大やコンピューターの高性能化が実現。そして、2022年にはGPT-3.5に相当するChatGPTが、さらに2023年にはGPT-4がリリースされ、以前のバージョンよりも遥かに洗練された回答を提供できるAIチャットボットとして注目されました。

また、「チャットボット」という親しみやすい形式でリリースされたことも、ChatGPTの普及を後押ししました。ユーザーフレンドリーなインターフェイスを備え、技術的なノウハウを持たない一般の人々にも利用されるようになり、その結果、ChatGPTの普及が急速に広がったのです。

身の回りのAI技術

AI技術は私たちの日常生活に深く関わってきています。ここで、ChatGPTを含むさまざまなAIシステムが、私たちの身の回りにどのように浸透しているか見てみましょう。

AIシステム  
チャットボット ウェブサイトやアプリケーション上で会話を通じて情報提供やサポートします。 カスタマーサポート、予約管理、FAQの提供など、多くの業界でチャットボットが活用されており、情報収集や問い合わせにおいて、チャットボットと対話することが一般的になってきています。
翻訳AI スマホやアプリで、テキストや音声の翻訳が瞬時に行えます。
画像認識 カメラやセンサーを利用して物体やシーンを識別し、処理する能力を持っています。スマホのカメラアプリから、自動車の安全機能まで、多くのデバイスとアプリで画像認識技術が活用されています。
自動運転 AI技術は自動運転車の分野でも急速に進歩しており、交通安全性や運転の効率性を向上させています。自動車業界だけでなく、配送や公共交通機関においても導入が進んでいます。
予測分析 ビジネスにおいても活用され、データから傾向や予測を導き出す手助けをします。市場動向の分析、在庫管理、消費者行動の予測など、多くの分野でAI技術を使った予測分析が行われています。

ChatGPTのできること

ChatGPTはその高度な自然言語処理能力により、さまざまなタスクに対応できる汎用性の高いAIモデルです。ここで、ChatGPTにできることを見ていきましょう。

用途  
日常会話 自然な対話をシミュレートし、カジュアルなコミュニケーションができます。
テキスト翻訳 多言語に対応し、テキストを他言語に翻訳できます。
文章の要約 長文を要約できます。
文章の生成 高度な自然言語処理能力を駆使し、以下のような文章に関連するタスクのサポートが可能です。
・プロフェッショナルなメール文の草稿作成
・ライティング(文章の作成)
・リライト(文章の改善)
テキストやコードの添削 文法やスタイルの指摘ができます。
プレゼン資料のひな型作成 プレゼンテーション資料の骨子を提供できます。
企画書作成 企画書の草案を作成できます。
表作成(関数生成) データをもとに表を生成できます。
プログラミング
(マクロ、Python等のコード生成)
プログラムコードを生成し、タスクの自動化やアプリケーション開発に利用できます。
炎上リスクの判断 文章やコンテンツの炎上リスクを判断し、適切な表現を提案できます。

上記はChatGPTはできることの一例ですが、これらのタスク全てをChatGPTがすべて完璧にできるというわけではありません。
ChatGPTの回答はユーザーから提供された情報に依存し、正確性や品質の保証はできません。特に専門的な情報や法的なアドバイスに関しては注意が必要です。ユーザー自身が生成された回答の正確性や倫理的な適切さを確認し、必要に応じて修正や追加の検証を行う必要があります。

【レポート】ChatGPTを実際に使ってみた

ChatGPTはビジネスシーンでもさまざまな側面で活用されています。
ここでは、ChatGPTをビジネス環境で具体的にどのように活用できるかを紹介します。

リサーチ(情報収集と比較分析)

【使用例】

引用:PULSE AI「【マネージャー必見】ChatGPT(チャットGPT)をビジネス(仕事)に活かす方法」

ミッション① 日産自動車の企業概要→概ねまともな回答が得られた
ミッション② トヨタとテスラの業績比較→テスラの売上や営業利益率が間違っていた

ChatGPTは、数値や最新情報の収集は得意ではありませんが、情報の概要や概念の理解はできます。ビジネスリサーチの際、ChatGPTは膨大な情報から主要なポイントを抜粋し、簡潔な説明を提供します。ただし、データの正確性には注意が必要で、ChatGPTの回答を裏付けるためには他の情報源との比較分析が不可欠です。

コンテンツ生成

【使用例】

引用:PULSE AI「【マネージャー必見】ChatGPT(チャットGPT)をビジネス(仕事)に活かす方法」

ミッション 営業日報のサンプル&賀詞交換会での挨拶文の作成
結果 すっきり整理された無難な内容が得られた

ChatGPTは、ビジネスコンテンツの生成も可能です。特定のトピックやスタイルを指定すれば、対応する文章を生成し、ブログ記事、レポート、広告コピーなどのコンテンツを作成します。また、リクエストに応じてユーモアを含む文章を生成することも可能です。

ただし、ChatGPTに提供する情報には注意が必要です。ChatGPTはユーザーから提供されたデータをもとに回答を生成します。ユーザーが個人情報や機密情報を入力した場合、それらの情報はシステムによって記録され、悪意あるユーザーに悪用される可能性があります。個人情報や機密情報をChatGPTを介して共有しないよう注意し、プライバシーを守るための措置を講じることが必要です。

顧客対応(カスタマーサポート)

【使用例】

引用:PULSE AI「【マネージャー必見】ChatGPT(チャットGPT)をビジネス(仕事)に活かす方法」

ミッション 「アクアビーズの遊び方」について質問
結果 かなり正確で有益な回答を得られた

ChatGPTは顧客対応にも活用されていますが、現段階では限定的な役割を果たします。基本的な質問に対する回答は提供できますが、ChatGPTが企業のカラーや特定の顧客対応を把握し、それに合った対応をするには調整が必要です。
そのため、特にスペシャルな対応を期待する場合は、ChatGPTのカスタマイズや訓練が必要です。

従業員サポート(相談/助言/壁打ち)

【使用例】

引用:PULSE AI「【マネージャー必見】ChatGPT(チャットGPT)をビジネス(仕事)に活かす方法」

ミッション 従業員の悩みの相談相手として「最近、夜眠れないことが多いです。ストレスが多いかもしれません。どうすればいいですか?」と話しかけた
結果 地価の質問も含め、真っ当な助言が得られた。

ChatGPTは従業員にとって重要なサポートツールとして活用されています。相談に対してChatGPTは中立的で客観的なアドバイスを提供します。助言についても、偏りのない正確な情報を提供し、人間に聞くには恥ずかしい内容でも気軽に質問できるため、従業員にとって頼りになる存在になり得ます。

しかし、ChatGPTの回答は、正確性や品質が保証されるものではありません。特に専門的なアドバイスなどに関しては、ChatGPTのアドバイスだけを鵜呑みにせず、必要に応じて専門家に相談することが重要です。

ChatGPTの日常使い

ChatGPTは、ビジネスシーン以外でも広く使われています。以下は、ChatGPTの日常使いの一例です。

まとめ

デジタル時代において、AIは私たちの日常生活に深く関与しています。特にChatGPTは、その高度な自然言語処理能力を駆使し、私たちのビジネスや日常生活に変革をもたらしています。

ビジネスシーンにおいては、リサーチからライティング、顧客対応、従業員サポートまで、多くの可能性を秘めています。日常生活においては、旅行プラン作成からプレゼント探し、医療機関の相談まで広く使われています。

しかしながら、ChatGPTの活用はまだ始まったばかり。今後、私たちの生活にどう深く関わってくるのか、私たちはどう接するべきか、まだまだChatGPTとの関わり合いを考えていく必要がありそうです。AI技術の進化と共に、私たちの生活がどのように変わっていくのか、興味深い展望が広がっています。

最新情報をチェックしよう!