ChatGPTの実録第3弾|事例からみる生成AIが作成したコンテンツの問題に迫る⑤

デジタルな世界で生成AIが進化する中、私たちの情報環境は大きな変革を迎えています。しかし、この変革は必ずしもポジティブな影響だけをもたらすわけではありません。

あなたが読んでいるWeb記事やSNS投稿、それは本当に信頼できる情報源から来たものでしょうか?
間違った情報を元に情報発信を行ってしまったらどうなるでしょうか?

本記事では、「ChatGPTの実録」を通じて、生成AIが抱える危険性と信頼性の問題について深く探ります。さらに、情報の確認手法の重要性を強調し、情報の信頼性を確保するための具体的なステップを提供します。

情報発信者として、生成AIの可能性とリスクを理解し、情報の信頼性を見極め、より質の高い情報発信を行うための一助となれば幸いです。


生成AIによるWeb情報のデータ汚染

ライターとして記事を書く時、あるいは企業として社会に向けて情報を発信しようとする時、参照する情報源の信頼性は非常に重要です。しかし、生成AIの進化により、その情報源がAIが作ったフェイクである可能性が高まっています。

生成AIの進化は、インターネットの情報環境に大きな影響を及ぼしています。その中には、一見、真実と見分けがつかないほどリアルな誤情報が含まれていることがあります。これらの誤情報は、人々の判断を誤らせ、重大なミスを引き起こす可能性があります。

特に懸念すべきは、ライターや企業が気づかずに生成AIによって作成された誤情報を参照し、それが複数の記事で引用・拡散されることです。この連鎖が発生すると、その誤情報が事実として広まり、さらなる誤解を生む可能性があります。
また、誤情報の起源を特定することが難しい場合、その情報を正確に修正することも難しくなり、情報の信頼性を確保する上で重要な問題となります。

このように、生成AIによって生み出された情報は、インターネット上の情報全体の質を低下させ、信頼性のある情報を見つけることを難しくさせます。

生成AIが作り出すウソ~炎上・被害など事例を紹介~

生成AIはフェイクニュースの作成にも利用され、誤った情報の拡散につながる深刻な問題となっています。以下にいくつかの事例を紹介します。

■ 令和6年能登半島地震/静岡県災害:災害発生に伴い、リアルタイムな被害状況などに、AIを使ったフェイク画像が出回る。AIが作り出す情報が現実社会に与える混乱が明らかに。
■ペンタゴン爆破:AIが生成したペンタゴン爆破の偽画像が出回り、米市場が一時的に暴落する騒ぎとなった。
■ドナルド・トランプ前アメリカ大統領の逮捕:AIによって生成されたトランプ前大統領に関する偽の画像がTwitterで拡散され、混乱を招いた。
■岸田首相:日本テレビのニュース番組画面を模したAI生成の動画がSNSで拡散され、岸田首相の声が悪用された。AIによる技術の進歩が、政治的な混乱を招く一因となった。

これらの事例は、生成AIが作り出す情報が現実社会に与える深刻な影響を示しています。生成AIの進化とともに、その利用に伴うリスクへの理解と対策が求められています。

実録:ChatGPTにフェイクニュース記事を作成してもらった

実際にChatGPTを用いて、ニュース記事を作成してもらいました。プロンプトは非常にシンプルで、記事タイトルを指定して記事作成の依頼を行うだけです。

実録①「沖縄県に大雪」

プロンプト:
これから提供する記事タイトルに沿った300字程度の短いニュース記事を作成してください。
記事タイトル『沖縄県に大雪』

すると、1分もたたないうちに記事が完成しました。以下がChatGPTが作成したニュース記事です。

沖縄での大雪現象が一般的ではないことや大雪の原因、大雪を経験した人々の様子や専門家の知見まで。これを読んでフェイクニュースと気づく人は少ないのではないでしょうか。

※以上GPT-4使用(収録日:2024年1月)

実録②「ニホンザル、ついに温泉卵をつくる」

プロンプト:
これから提供する記事タイトルに沿った300字程度の短いニュース記事を作成してください。
記事タイトル『ニホンザル、ついに温泉卵をつくる』

これについても、すぐに記事が完成しました。以下は、ChatGPTによって作成されたニュース記事です。

これはお題的に読む前に「フェイクでは?」と疑う人もいるでしょう。しかし、読み進めると、専門家の意見や観光業と野生動物の兼ね合いなど突っ込んだ論点も見られ、「本当なのでは?」と思ってもおかしくない内容になっています。
「日本の有名な温泉地」などの曖昧な表現を具体的な地名に手直しすれば、信じる人も多いことでしょう。

※以上GPT-4使用(収録日:2024年1月)

実録からの考察

これらの実証から明らかなように、AIは容易に説得力のある文章を創作することができます。しかし、一方で、生成されたコンテンツが実際の事実と一致するかどうかは、AIにとっては関係ないのです。これにより、AIが誤った情報を拡散し、信頼性の低いコンテンツが広まるリスクが生じます。

言い換えれば、AIは独自の情報を作り出す能力を持つ一方で、その情報の信頼性に課題があることが示唆されます。この問題は、情報の信頼性を確保する上での大きな障害となり、それに対処するためには生成されたコンテンツを慎重に検証し、信頼性の高い情報を見極めるスキルが必要となります。

信頼性の高い情報の見極め方~資料を参照する際の注意点~

前章で紹介した事例から分かるように、生成AIが作り出す情報には信頼性の問題が潜んでいます。では、ライターや情報発信を行う企業の方々が、生成AIの進化に伴い、情報の海に飲み込まれないためには、どのような注意が必要なのでしょうか?
ここで、ライターや情報発信を行う企業の方々が信頼性の高い情報を見極めるためのポイントを探っていきましょう。

情報源の確認

情報の信頼性を確かめるために、発信元が信頼できるソースかどうかを確認しましょう。公式ウェブサイト、政府機関、専門家、または信頼性の高いニュースメディアからの情報は一般的に信頼性が高いです。

複数の情報源の比較

Web記事や資料を参照する際には、一つの情報源だけでなく、複数の情報源から情報を得ましょう。複数の異なる視点を取り入れることで、より客観的な判断ができ、バイアスや誤りをフィルタリングしやすくなります。

日付と文脈の確認

情報が最新であり、提供されている文脈が適切であるかを確認することも大切です。古い情報や文脈を無視した情報は、正確な理解を妨げる可能性があります。

ファクトチェックサイトの活用

ファクトチェックサイトは、特定の情報が事実であるかどうかを検証するための便利なツールです。信頼性の高いファクトチェックサイトを利用して、情報の真偽を確認する習慣を身につけましょう。

書籍や学術論文の参照

Web記事だけでなく、書籍や学術論文など、信頼性の高い情報源も参照しましょう。これらの資料は通常、厳格な審査プロセスを経ているため信頼性が高く、より確かな情報を得ることができます。

生成AIがもたらすライティング業界への影響と未来への展望

生成AIは、記事の作成やレポートの作成、SNSの投稿など、多岐にわたりライティング業界に貢献しています。しかしながら、その一方で、生成AIが作り出す情報の信頼性や正確性についての問題が明らかになってきました。

この記事では、生成AIが抱える問題点とその対策について詳しく見てきました。生成AIが作り出す情報の信頼性を確保するための具体的なステップを学び、情報の洗練された見極め方を身につけることで、生成AIの世界を安全に探求する道筋を示しました。

生成AIの進化は止まりません。その活用により、ライティング業界は大きな変革を遂げる可能性があります。しかし、その変革はリスクも伴います。今ここで、生成AIの利点と限界をしっかりと理解し、そのリスクを適切に管理するための知識を身につけることが重要ではないでしょうか。

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