インタビュー取材記事の書き方を5ステップで解説

Sambushi編集部です!

インタビュー取材を終えたら記事の作成を行いますが、ただインタビュイー(取材対象)から聞いてきた言葉を流用するだけではありません。読者であるユーザーが音声コンテンツではなく記事コンテンツとして楽しめるようにする必要があります。

通常のWeb記事とは違い、インタビュー取材記事にはある程度決まった形式が存在します。そのため取材経験が豊富でないライターが執筆を担当する場合、どのように記事を書いたらいいかわからないものです。

今回はインタビュー取材記事の書き方を5ステップで解説します。インタビュー取材記事のライティングを知って、ユーザーに楽しんでもらえる記事コンテンツを作成してみましょう。


ステップ1. 音声データを書き起こす

インタビュー取材を終えると、取材中に記録したメモと録音データが残っています。まずはそれらの記録を駆使しながら、インタビュー取材のやりとりをテキストに変換しましょう。

一般的には「文字起こし」と呼ばれる作業です。

このあとのステップで記事にすることを考慮して構成を考えながら文字起こしをすると、ライティングの効率化を計れます。

音声をテキストに変換するだけの比較的簡単な作業のため、外部のライターに委託することも多いです。しかし、文字起こしはインタビューを行った本人が行うことをおすすめします。なぜならインタビューした本人にしかわからないエピソードやワードがあるからです。

とくにインタビュー現場の空気感は、そこに居なかったライターが再現することは難しいです。

また、文字起こしには大きく分けて3つのパターンがあります。

  • 素起こし
  • ケバ取り
  • 整文

どのタイプの文字起こしをするかによって次のステップの作業量が変わってきます。文字起こしの段階でどこまで文章を整えるか決めておくと、その後の作業がスムーズになるでしょう。

以下では、文字起こしの3パターンを簡単に解説します。

1. 素起こし

素起こしは録音データの音声をそのまま文字に起こす作業です。話し言葉の場合「えーっと」「うーん」といった意味のない言葉が混じりますが、素起こしではそれらも含めてすべてテキスト化します。

2. ケバ取り

ケバ取りは素起こしでスルーした「えーっと」「うーん」などの意味がない言葉を削ってテキスト化するタイプの文字起こしです。一般的な文字起こしはこのケバ取りまで行うことが多いといえます。

3. 整文

整文はケバ取りした文章をさらにわかりやすく整えることをいいます。話し言葉から書き言葉へ変換することによって、テキストベースで目を通した際に違和感を覚えることなく読むことができます。

ステップ2. 記事の構成案を作成する

書き起こしたテキストを素材にして、記事の構成案を作成します。

インタビュー記事は特殊な構成を組むことが多く、コツをつかむまでは何度も構成案を練り直す必要があるでしょう。

主な構成案には、以下3つのパターンがあります。

  • 対談形式
  • モノローグ形式
  • ルポ形式

とくに大きな改変をせずインタビュー内容を素材のまま取り上げる場合は、インタビュアーとインタビュイーが対談形式で話を展開する記事構成が望ましいでしょう。

取材前に用意した質問リストや録音データに沿って執筆していくだけなので、ゼロから構成案作成する手間を減らすことが可能です。

ただし、質問リストの段階でわかりやすい構成にしておく必要があります。

インタビュー取材の情報を網羅する必要はない

記事のボリュームにもよりますが、インタビュー取材は会話でやりとりをするため、話が行ったり来たりを繰り返すうちに情報過多になりがちです。

しかし、どれだけ有益な情報だったとしても、余すところなく使わないといけないなんてことはありません。

記事のテーマに不要な情報は思い切って削り、適切な情報を取り入れると良いでしょう。とはいっても、インタビュイーの人柄や特徴が伝わる情報はインタビュー取材記事に必要なものです。

あまりに情報を削りすぎて人間味が感じられない、味気ない構成にならないように気をつけたいところです。

ストーリー性で興味を持たせて興味をひく

通常のWeb記事では冒頭に結論を持ってくるのがベターですが、インタビュー記事の場合は起承転結を意識したストーリー性のある構成が望ましいです。

たとえば成功した経営者の人生についてインタビュー取材した場合、最初に日雇いのアルバイトで生計を立てていた貧乏時代について触れ、転換期を経て会社を設立し上場といった流れをイメージするとわかりやすいです。

記事の最後にインタビュイーが伝えたい結論を出すと、読者であるユーザーに強く訴えかけることができます。

ステップ3. 記事を執筆する

インタビュー取材記事の構成案が完成したら、いよいよ執筆です。

文字起こしの段階だと、整文していない場合は話し言葉のままです。そのため、書き言葉に変えたりユーザーが理解しやすい表現に言い換えたりする必要があります。とくに専門的なテーマの話をしていた場合は、用語や展開に十分注意するようにしましょう。

インタビュイーが表に出る形式の記事では、あえて話し言葉や会話のクセを残すこともあります。そうすることによってインタビュイーの人間味が感じられるからです。

記事の冒頭で誰に何のためにインタビュー取材をしたのかハッキリ書いておくのも大切。インタビュイーの略歴や記事テーマをユーザーに擦り込むことによって内容を理解し、スムーズに読み進めてもらえます。

また、記事中に書く情報は必ず真偽を確かめてください。インタビュイーが話す内容を完璧に予習した状態で来てくれるとは限らず、誤った情報を話している可能性があります。とくに名称や数字に関する情報は要注意です。

誤った情報が載っていると、記事はもちろんメディア全体の信用性に関わってきます。この点は普通のWeb記事もインタビュー取材記事も同じです。

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【インタビュー取材記事の作り方】3つの形式と特徴をご紹介

ステップ4. 校正と校閲を行う

執筆が終わったら、次に校正と校閲を行います。

自分自身では間違いに気がつかない場合があるため、エディターや校正・校閲担当などに協力してもらうと良いでしょう。ヒューマンエラーは起こるものだという認識を持って臨むことが大切です。

校正でチェックするのは主に以下の2つです。

  • 誤字脱字
  • 漢字や文法などの表記

AIの普及により校正・校閲ツールで自動チェックするメディアも多いです。しかし、校正・校閲ツールの精度はお世辞にも高いとはいえず、100%カバーできるわけではないので目視での確認をおすすめします。

校閲でチェックするのは主に以下の2つです。

  • 表現の正誤
  • 事実関係

執筆する際に十分注意していても、間違ってはいけないところは何度も確認しておく必要があります。少なくとも第3者を交えたダブルチェックを行うと良いでしょう。

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ステップ5. 取材相手に記事を最終確認してもらう

インタビュー取材記事が完成したら、インタビュイーに記事の最終確認を依頼します。

ケースバイケースなのでこのステップはない場合もありますが、依頼するときは最終チェックのつもりで記事の完成品を提出するようにしてください。

なぜなら、見出しの装飾や画像の挿入を行ったプレビュー画面ならWeb記事に慣れていないインタビュイーでもチェックしやすいからです。インタビュイーの伝えたいことをきちんと言語化できているか、本人に見てもらいましょう。

相手によってはインタビュイー本人ではなく、マネージャーや事務所が最終確認を行うこともあります。

そして、ときには最終確認で修正の要望を受けることもあります。しかし、修正要望に必ずしも従う必要はありません。言われるがまま記事を修正していたら、それはインタビュイーの記事になるからです。

不必要な修正と判断した場合はこちら側の企画の意図をしっかりと共有し、理解してもらうよう働きかけることが重要といえます。

まとめ

インタビュー取材記事の作成ステップは以下の5つです。

1. 音声データを書き起こす
2. 記事の構成案を作成する
3. 記事を執筆する
4. 校正と校閲を行う
5. 取材相手に記事を最終確認してもらう

インタビュー取材を題材にした記事は強いメッセージをユーザーへ届けられます。

しかし、インタビュー取材した内容をただ羅列するだけではあまり意味がありません。当初の企画や目的を洗い出し、ユーザーを惹きつける構成と文章を使った記事作成が求められます。

また、インタビュー記事は構成や書き方に加えて取材の内容が非常に重要です。インタビュイーの話を引き出し、ネタになる素材を集められるかが良質なインタビュー取材記事を作成するための秘訣といえます。

今回の記事でご紹介した5つのステップを押さえて、ユーザーの心に伝わるインタビュー取材記事を作成してみてください。

(画像はpixabayより)

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