Sambushi編集部です!
インターネットの普及やスマホの個人保有率上昇にともない、ここ何年かでよく耳にするようになった「インターネットリテラシー」や「情報リテラシー」といった言葉。意味を聞かれて説明することができますか?「なんとなくわかるけど具体的には説明できない。」という方が多いのではないでしょうか。しかし、何も考えずに発信した情報がメディアの「炎上」を招いた例も数多くあり、今や「知らない」では済まされません。
ここでは、「インターネットリテラシー」の意味から、オウンドメディアにおける著作権を侵害しない引用方法、インターネットリテラシーの欠如が引き起こしたトラブル事例を紹介します。
オウンドメディアを任されたばかりのコンテンツ制作担当者、Webライターのスタートを切ったばかりの方におすすめの内容です。
インターネットリテラシーとは
リテラシー(literacy)とは「読み書きの能力」と訳され、「あることに関する認識力」などの意味で使用されます。
すなわち、「〇〇リテラシー」という言葉は、「〇〇に関する認識力」、「〇〇を使用するために必要な知識や能力」という意味になり、「インターネットリテラシー」とは「インターネットを正しく使いこなす能力」を表す言葉なのです。
同じく、「情報リテラシー」とは「たくさんある情報の中から必要な情報を選び、活用する能力」ということになり、コンテンツ制作にあたるにはどちらのリテラシーも必要になることがわかりますね。
正しく身についていないと、トラブルに巻き込まれたり、意に反して加害者になってしまうことのある、現代人に必要な能力です。
情報を発信する前の確認事項
言葉の意味を理解したところで、実際に情報発信をするときに気をつけたい部分を確認しましょう。
信頼できる情報かどうか
まず確認したいのが、コンテンツを制作する際に集めた情報が信頼できるものか?発信する情報は確かな情報か?という部分です。
インターネットは誰でも簡単に情報発信でき、自分の周りの交友関係などでは得ることのできない情報も手に入る便利なツールです。とはいえ、単なるうわさや根拠のない情報がそのまま公開されている可能性もあることを忘れてはいけません。匿名性を利用し、デマやウソをもっともらしく発信する悪意をもつ拡散者も存在します。
自分が発信したコンテンツがウソだったということにならないため、情報収集の段階から信頼できる情報源を見定め、選び取ることが大切です。
不適切な内容ではないか
次に注意したいのが、コンテンツの内容は不適切ではないか。ふさわしくない情報がもりこまれていないか。というところ。
同僚や友だち同士の悪ふざけやいたずらといったものも不適切な内容にあたります。SNSが普及したことにより、軽率な投稿を面白がって拡散する人も多く、ここ数年で問題になるケースが相次ぎました。そのほか、企業の重要な情報も気軽にインターネット上に流していいものではありません。
プライバシーや著作権などを侵害していないか
そして最後はプライバシーや著作権の侵害について。
プライバシーの侵害とは、個人的な日常生活や家庭の事情、他人に知られたくない私的なことを言いふらしたり、SNSやインターネット上に載せたりして、公にしてしまうこと。著作権の侵害は、誰かの著作物(絵画、写真、文章、音楽、プログラムなど)を個人使用の範囲を超えて無断で使用することです。
どちらも扱いを間違えると、所属する企業などに経済的な損失を与えてしまう可能性もあり、オウンドメディアのコンテンツ制作においても十分注意したいことの一つです。
著作権を侵害せずに引用する方法
前項で出てきた著作権について、抵触しない引用方法を具体的に解説します。
まずは、引用したいWebサイトの利用規約を確認するところからスタート。引用ルールがあればそれに従いましょう。公共機関の公式サイトなどでは許諾なしでも引用できることが記されている場合が多いのですが、Webメディアなどのコンテンツを引用する場合は、運営者に許可を得る必要があります。
自分が運営しているメディアの概要とともに、引用したい箇所と理由を明記してコンタクトを取ると良いでしょう。
無事、引用の許可がおり、実際にコンテンツを制作するときには以下の方法で引用します。
文章を引用する場合
文章を引用するときは、自分が書いた文章と引用元の文章が区別できるようにします。
例えば以下のような方法がよく使われます。
- 鉤括弧(「」)やクォーテーションマーク(“”)で囲む
- 段落を分けてインデントを入れる
- 背景色を変えたり、枠線で囲む
- フォントを斜体にする
- 引用タグが用意されていればそれを使う
そして、引用した文章の下には「引用:◯◯」か「出典:◯◯」と入れ、◯◯部分には引用元のサイト名、サイト名にはそのページのURLのリンクを挿入します。コンテンツのタイトルを追加しても良いでしょう。
画像を引用する場合
画像を引用する場合は、文章の引用と同じく、画像の下に「引用:◯◯」「出典:◯◯」と明記し、◯◯部分には引用元のサイト名、サイト名にはページURLのリンクを挿入します。
SNSの投稿を引用する場合
InstagramやTwitter、FacebookなどSNSには埋め込み機能が付いています。
どのSNSのどの投稿から引用されたのかが分かりやすい上に、埋め込んだ部分も見やすく表示されるので、SNSから引用を行うときには、この機能を使うと良いでしょう。埋め込みコード取得も以下のように簡単なステップです。
Facebookの場合
1. 投稿の右上にある「・・・」をクリック
2. 出てきたメニューから「</>埋め込み」を選択
3. 埋め込みコードが小さなウィンドウ内に表示されるのでそれをコピーし挿入する
Instagramの場合
1. 投稿の右上にある「・・・」をクリック
2. 出てきたメニューから「埋め込み」を選択
3. 埋め込みコードが小さなウィンドウ内に表示されるのでそれをコピーし挿入する
Twitterの場合
1. 投稿の右上にある「・・・」をクリック
2. 出てきたメニューから「</>ツイートを埋め込む」を選択
3. 新しいウィンドウが開き、埋め込みコードが表示されるのでそれをコピーし挿入する
どのコンテンツを引用する際にも、引用する投稿自体が著作権侵害に当たらないか内容を確認することも忘れないようにしましょう。
トラブル事例
インターネットリテラシーが低いことで招いた代表的なトラブル事例、いわゆる「炎上」した事例を紹介します。「炎上」とは、ブログやSNS上の失言や失態に対して、火が燃え上がるように非難や中傷のコメントが殺到すること。サイトやアカウントが閉鎖に追い込まれることもあります。
医学的に根拠のない情報を掲載して炎上
記事の信憑性や著作権侵害に関するトラブルといえば、株式会社DeNAが運営していた医療キュレーションメディア「ウェルク(WELQ)問題」が挙げられます。
医療記事は専門性や真実性が求められるものですが、ウェルク(WELQ)に掲載されている記事は、医療関係者ではなく一般人が執筆したもので、中には根拠のない情報や誤った情報も掲載されており、大炎上を起こしたという事件です。
コンテンツの品質ではなく、アクセスを集めるということにばかり注目し、他のウェブサイトの記事を引用ルールなしで「コピペ」するなど、コンテンツを作成する際に必要な、情報の確実性や著作権などを軽視した結果起こった事例です。
店員が冷蔵庫に入っている写真をSNSで公開して炎上
コンビニエンスストアの店員がアイスクリームの入った冷凍ショーケースの中に寝そべった写真をFacebookに投稿し、炎上。コンビニエンスストアはその店員を解雇、該当店舗とのフランチャイズ契約を解約しました。それ以降、弁当チェーンやレストラン、スーパーなどでも同じようなケースが発生しました。
「友だちと一緒に調子にのって……」「冗談のつもりだった」など、インターネットリテラシーを欠く軽はずみな行動が大きな損害をもたらした事例です。
まとめ
オウンドメディアを運用する際に留意するべき事項をいくつか紹介しました。
このほかにも、読者が興味のある内容を執筆するよう心がけたり、読みやすいよう表記を統一したり、差別的な内容や表現を避けたりなど、注意しなければいけないポイントはいくつもあります。
インターネット上に流れた情報は半永久的に残るといわれます。今回紹介した事例のようなリスクを避けるため、正しいインターネットリテラシーを身につけ、優良なコンテンツでオウンドメディアを成長させましょう。
コンテンツ制作の知識や技術に不安があるとき、人材が足りず専任者をつけられないときは、制作代行会社などに外注することを検討しても良いかもしれませんね。