Sambushi編集部です!
ホームページやブログ、SNSなど自社で情報発信ができる「オウンドメディア」は、集客やブランディングに有効であると、多くの企業が導入しています。
ところが大企業での成功事例が目立つためか、「オウンドメディアは大企業向けのマーケティング施策」だと思っている方が多く見受けられます。
オウンドメディアは、中小企業にこそ効果があるマーケティング施策です。
中小企業だからこそ得られるメリットや、可能な運用方法があります。
それらをうまく活用して、大企業に勝てるチャンスを得てみませんか?
この記事では、中小企業のオウンドメディア運営を後押しすべく、お勧めする理由やメリット、運用の課題と成功させるポイントを解説します。
また、中小企業のオウンドメディア成功事例も紹介するので、自社に導入する際の参考にお役立てください。
中小企業にオウンドメディア運用を勧める理由
中小企業がオウンドメディアを活用することで得られるメリットは多々あります。メリットを知ってオウンドメディア立ち上げの第一歩を踏み出しましょう!
自社の魅力や専門性をアピールできる
オウンドメディアでは、自社の意図した情報を「独自のカラーで自由に」発信することができます。
自社の商品やサービスの良さはもちろんのこと、商品のコンセプトや企業理念などを企業独自の視野を含んだオリジナルストーリーとして伝えられれば、競合他社との差別化が図れます。
また、何かに特化した商品やサービスを提供している中小企業にとっては、専門性をアピールできるメリットもあります。ニッチな分野のオウンドメディアは、情報の希少性が高く、ユーザーから重宝されやすいものです。自社の専門性をアピールし、オンリーワンの魅力に気づいてもらうことで、競合優位性を獲得できます。
低コストで運用できる
オウンドメディアは、テレビCMやWEB広告などと比べて低コストでの運用が可能です。
一般的な広告メディアに広告掲載するとなると、高額な費用が発生するうえに、出稿を止めれば即座に効果は失われてしまいます。
一方でオウンドメディアの運用には、コンテンツ制作費やメンテナンス費など一定のコストはかかりますが、それでも広告メディアにかける費用と比べると安価に済みます。
さらに、コンテンツは使い捨てではなく「資産」となるため、長期的な利用ができます。
また、有益な情報提供により認知度が上がれば、見込み顧客の獲得など集客効果も期待できます。そうなれば、フィールドセールスなど営業担当者の負担軽減にもつながり、総合的なコストの削減が見込めます。
ユーザーとの信頼関係を構築できる
オウンドメディアを通して、ユーザーに価値ある情報を発信し続ければ、ユーザーからの信頼を獲得できます。というのも、有益な情報により、ユーザーが抱いている悩みや疑問を解決することで、ユーザーの満足度を高めることができるからです。
たとえばBtoCにおいて、企業に対する信頼度が高いユーザーは、信頼している企業の商品やサービスを購入してくれたり、その価値を他の人に伝えたりしてくれます。商品やサービスが専門的あるいは高額であればなおさらのことです。
またBtoBにおいては、「ここから有用な情報が取れる、ここにしかない情報がある」などと思ってもらえれば、新たな取引のチャンスが生まれます。
中小企業の多くは、大企業に比べて認知度が低い傾向にあります。オウンドメディアを活用することでユーザーからの信頼を獲得できれば、大企業を含む競合他社を差し置いて「ユーザーから選ばれる企業」になることができます。
社内の手続きをスピーディーに行える
オウンドメディアの運用においては、「スピード感」も重要です。
更新頻度や情報の鮮度が低いと、自社の信頼度を下げてしまう恐れがあります。
この点において中小企業の小回りの良さは、大きな武器となります。
というのも、中小企業は大手企業と比較して関係してくる人員や部署が少ない傾向にあるため、コンテンツの社内チェックなど連携がスムーズに行えるからです。
また、たとえ関係部署間で食い違いが起きたとしても、すり合わせしやすくスピーディーにことを運べるため、コンテンツ公開までに多くの時間はかかりません。
社内のスピーディーかつスムーズな連携は、スピード感ある記事公開を可能にし、読者を増やし既存顧客の信頼を保つことにつなげられるのです。
中小企業が陥りやすいオウンドメディア運用の課題
中小企業の多くは「人手不足」や「予算不足」に悩まされており、それらが原因でオウンドメディア運用が上手くいかないケースがほとんどです。
「予算不足」に関しては対策が難しい部分ではありますが、あらかじめ予算を確保するなど計画を立てておくことで回避しましょう。
ここでは「予算不足」以外で中小企業が陥りやすい課題を見ながら、事前の対策を提案していきます。
人手が足らず、更新を継続することが難しい
人的リソースが足りていないために、オウンドメディアの運用が失敗に終わってしまうケースがよくあります。
オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかる施策です。そのため、コンテンツを継続して更新できなければ成果は見込めません。
継続的なコンテンツ制作を実現するには、運用体制を整えることが重要です。
運用体制を整えるために、まずは運用に必要な人材や費用、時間のリソースを明確にすること。そして自社のスタッフだけで運用が難しい場合には、一部業務をアウトソーシングをするなどして、適切な人員配置をとる必要があります。
記事ネタが枯渇してしまう
先述の通り、オウンドメディアの運用には、継続的なコンテンツの発信が欠かせません。
しかしコンテンツを制作しようにも、「記事のネタ」が切れてしまっては、為す術がありません。
ネタ切れに陥ってしまうことのないよう、ネタ出しは1人が担当するのではなく、大人数でブレインストーミングをするなど、事前の対策が必要です。
流行やトレンドが取り入れられない
Web業界はトレンドの移り変わりが速いため、常に最新のトレンドを掴み、状況にあったマーケティング戦略を行う必要があります。
多くの中小企業ではリソース不足などの理由から、片手間でマーケティング施策を実装する傾向にあります。そのため、新たなマーケティング手法に追いつけずに、オウンドメディアの運用が失敗してしまうケースがあります。
目まぐるしい変化への適応は簡単ではありませんが、ユーザーのニーズを満たすためにも、最新の流行やトレンドに適宜対応することが重要です。
オウンドメディアを成功させるポイント
オウンドメディアの運営にはコツがいります。ここでオウンドメディア運営を成功に導くための4つのポイントを見ていきましょう。
オウンドメディアを運用するコンセプトを明確にする
オウンドメディア運営を成功させるために、まずは、コンセプトを設定することが重要です。
そのためには、認知拡大や新規顧客の獲得など「オウンドメディアを運営する目的」を明確にすること。そして「ペルソナを設定」し、ターゲットのニーズをしっかりと把握する必要があります。そうすることで、目標の実現につながるコンセプトを設計することができます。
コンセプトが明確にできれば、コンテンツ全体の方向性を統一できてコンテンツ自体のクオリティが上がるうえに、ブレないメディア運営にもつながります。
検索キーワードをもとにコンテンツを作る
ターゲットにコンテンツを読んでもらうためには、そもそもコンテンツが「検索される」必要があります。
「検索キーワード」は検索エンジン上でのユーザーとの接点です。検索キーワードからユーザーのニーズを掘り下げ、検索意図を満たすコンテンツを作成することが重要です。
自社がアピールしたいことを一方的にコンテンツ化するやり方では、ユーザーに検索されることも価値を提供することもできません。
コンテンツのトピックを限定しない
オウンドメディアのコンセプトを明確にすることは重要ですが、コンテンツのトピックを限定する必要はありません。
たとえば、サプリメント販売会社がブログ運営する際に、商品であるサプリメントに固執してサプリメントの種類や飲み方など「サプリメントの〇〇」といったコンテンツだけを作成するとしましょう。
この場合、ブログのネタがすぐに切れるとともに、見込み顧客の獲得は期待できません。
サプリメント販売会社のブログのトピックには、健康食品やダイエット、エクササイズなどを含むことができます。というのも、サプリメントが気になっている人(=見込み顧客)というのは、これら健康関連のトピックにも興味がある人が多いからです。
このように、ターゲットのニーズを正確に把握したうえで、テーマに縛られすぎることなく幅広いトピックを意識することが重要です。そうすることで記事の幅が広がり、より多くのユーザーを惹きつけることができます。
PDCAを繰り返す
オウンドメディアの運営は、「コンテンツをアップしたらそれで終わり」ではありません。その後の効果測定をしてPDCAを回すことが重要です。
PDCAとは、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)のこと。コンテンツをアップした後は、Google AnalyticsやSearch Consoleなどのアクセス解析ツールでユーザーの行動やコンテンツの満足度を分析する。そうしてユーザーのニーズを探りながらコンテンツの作成や改善をすることで、オウンドメディアをより良いものへと改善できます。
オウンドメディア活用事例
ここからは中小企業がオウンドメディアを活用し、成功をおさめている事例を紹介します。
各社のオウンドメディア導入の目的とその成果を通して、自社の導入イメージにお役立てください。
【歯医者が教える歯のブログ】コンテンツマーケティングで県外からの来院数が増加
「歯医者が教える歯のブログ」は、神奈川県の「おかざき歯科クリニック」が運営しているブログです。毎月の新規来院患者数が657%増加、月間500万PV達成など、オウンドメディアの成功事例として歯科業界以外からも注目を集めています。
「おかざき歯科クリニック」がオウンドメディアを始めた目的は、診療圏を広げること。
それまでの主な集客方法は電柱広告やバスの放送など1km圏内の顧客に対するアナログな宣伝手法でした。しかし、継続的な効果は得られず、新規の患者さんは減る一方。そこで、少しでも多くの人にアピールするためにブログを開始しました。
効果はすぐに現れ、ブログを通しての新規来院患者数は毎月100名以上(施策開始前と比べて657%増)にも及ぶようになりました。特に、県外からの来院患者が大きく増え、中には、関西地方や中部地方からの患者もいるそうです。
ブログのPV数で見ても、本格始動した初月が20万PV、5ヶ月後には100万PV、その後も順調で6ヶ月連続500万PVを達成と、大成功を収めているのがわかります。
なお、現在は新規患者獲得だけでなく、より多くの人に歯科の正しい知識を得てもらうことにも重きを置いています。
自院の強みや歯科医院の選び方に加えて、顎関節症や口臭など症状に関する情報や、歯ブラシ・歯磨き粉の選び方など、歯科治療以外の有益なコンテンツも幅広く提供されています。
参考:バズ部「事例 / 月間500万PVを達成し、毎月の新規の来院患者数が657%増加した歯医者のブログ」
【ストレッチポール®公式ブログ】ブログ記事からECサイトへの誘導で売上アップ
「ストレッチポール®公式ブログ」は、「株式会社LPN」が運営するトレーニングやエクササイズに特化したオウンドメディアです。
「ストレッチポール®(株式会社LPNが製造・販売するフォームローラーの一種」)は、テレビ・雑誌などで取り上げられることが多く、フィットネスクラブを経由して多くの注文があったものの、インターネットを活用した取り組みはほとんどされていませんでした。
そこで、インターネットを活用しよりストレッチポール®を広めたいと考え、ブログを立ち上げました。
ブログは公開から4ヶ月で20万PV、1年後には100万PVを達成。ブログ経由の月間販売数は800件を超えるまでに成長。ブログ記事からECサイトへの誘導で売上アップを実現しています。
参考:バズ部「事例 / 月間140万PV・月間販売800件超!自社メディアで圧倒的な成果を出すECサイトのコンテンツマーケティング」
【みんチャレ ブログ】優良顧客の獲得に成功
「みんチャレ ブログ」は、運動や勉強など生活習慣に関するお役立ち情報を発信している「エーテンラボ株式会社」が運営するブログです。
行動の習慣化を助けるアプリ「みんチャレ」は、口コミや著名人の紹介により偶発的にダウンロード数を増加させていました。しかし、アフィリエイト広告やテレビCM、チラシ配りやWEB広告などの広告施策では期待するほどの成果が出ませんでした。
そこで、辿り着いたのがブログによるコンテンツマーケティング。みんチャレユーザーのリアルな使い方やとっておきの活用方法をブログで発信することにより、「習慣化したい」というユーザーの潜在的なニーズへアプローチすることを目指しました。
結果は大成功。サイト本格稼働から3ヶ月で20万PV、8ヶ月で月間140万PVを達成し、多くの見込み顧客の獲得に成功しています。
また、オウンドメディアを運用したことにより、テレビなどを見て検索したユーザーも漏らすことなく獲得できたり、良質なユーザーを多く獲得できたりと当初の導入目的以外の効果も得られています。
参考:バズ部「コンサルティング記事代行事例 / わずか8ヶ月で月間140万PVを実現したアプリ企業メディア成功事例」
まとめ
オウンドメディアは大企業のためだけの戦略ではなく、中小企業にとっても有効なマーケティング戦略です。
中小企業のオウンドメディア運用は、少ない資金で多くのメリットを享受できます。ブランディングや競合他社との差別化、顧客との信頼関係の構築などは、オリジナリティある商品やサービスで勝負しているかつ小回りの利く中小企業だからこそ、効果をより実感しやすいものです。
中小企業だからこそ得られるメリットがある。中小企業だからこそできる運用方法がある。これこそが、「中小企業こそオウンドメディアを活用すべき」理由です。
もし、自社の方針にオウンドメディアは向いている!とピンと来たのであれば、これを機に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。