Sambushi編集部です!
最近では企業が公式のSNSアカウントを持つことが一般的になり、SNSを活用した「SNSマーケティング」も、デジタルマーケティングの欠かせない手法の一つになっています。
オウンドメディア運用においても、SNSを活用すると集客や認知拡大を望めるので、集客率に伸び悩みを感じているときは、コンテンツのクオリティアップやSEO施策とあわせて検討すると良いでしょう。
この記事では、オウンドメディアでSNSを活用するポイントや効果などを、事例を含めて紹介します。オウンドメディア担当者や、これからSNSの運用を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください!
オウンドメディアとSNSの違い
オウンドメディアは、企業が保有し読者に向けて情報を発信する自社メディアのことです。サイトやブログ、メルマガ、パンフレット、雑誌、広報紙など、ユーザーとの関係構築のほか企業やサービスのファンを増やすことを目的として運用されます。
SNSはSocial Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス)の略で、登録者同士が交流を図れるサービスを指し、TwitterやFacebook、Instagram、Tiktokなどが該当します。
オウンドメディアとSNSの1番の違いは、ユーザーとのコミュニケーション方法です。オウンドメディアは情報発信を主としていますが、SNSはユーザー側からも情報が発信できるため双方向のコミュニケーションが可能です。
例えば、企業の投稿やサービスに対してユーザーが質問や感想を送り、企業がそれに答えたり、企業がユーザーの投稿に直接アクションすることもできます。そのためユーザーとの距離が縮まりやすく、ファンを獲得しやすいメディアといえます。
また、ユーザーの口コミや評判、コンテンツへの感想が拡散されやすく、アクションしたユーザーと同じターゲット層のユーザーにアプローチできるため、上手に活用すればPR効果を得ることもできます。
オウンドメディアでSNSを活用する理由
オウンドメディアでSNSを活用すべき大きな理由の一つが「拡散性」にあります。
オウンドメディア運用でしばしば課題となる「読者の獲得」には、より多くのターゲットの目に触れることが必要であり、日本での利用率が70%をこえる(総務省「通信利用動向調査」より)SNSは最適なツールなのです。
オウンドメディアで発信した情報をSNSにも投稿すれば、SNSのフォロワーだけでなく、繋がりのある他のユーザー、その先のユーザーまで、幅広いターゲットに認知される可能性が高まります。
このSNSの拡散性は、ユーザーの利用意識も大きく変化させました。それによって起きたことが下記の2つと言えるでしょう。
ユーザーの情報収集方法の変化
これまでユーザーは、何かを調べる際にGoogleなどの検索エンジンを使って情報収集をしていました。しかし、最近ではSNSを利用して情報収集をすることが増えています。検索エンジンからSNSへと、ユーザーの利用意識が変化してきているのです。
そのため、そのようなユーザーに向けてSNSでアプローチをすることが非常に重要になってきています。
Googleからの評価が高くなる
SNS経由で、外部サイトからのリンクを獲得したり、投稿のシェアによって多くの人に閲覧されると、「サイテーション(SEOの上位表示施策に関わるもの)」が増えるといった間接的な効果が狙えます。
それによって良質なコンテンツと認識されると、さらにサイテーションが増加し、結果的にGoogleから高評価を受ける可能性が高まります。
3大SNSの特徴と使い分け
一口にSNSといっても、ツールによってそれぞれの特徴があります。「SNSの運用が決まったが、どれを使えばいいかわからない!」という方のために、3大SNSである、Twitter、Instagram、Facebookの特徴や使い方のポイントを紹介します。
Twitterの投稿を見たユーザーが、自分のフォロワーに向けて再投稿して共有する「リツイート」という仕組みがあります。それにより高い拡散力が期待できるSNSです。テキストメインのツールですが、画像や動画も入れることができます。
自社アカウントのフォロワーの先にいる興味が近いユーザーに届きやすいことがメリットです。
デメリットは、なんといっても炎上する可能性があるところ。炎上とは、失言や失態をツイートしてしまい、非難や中傷のコメントが殺到することです。
これは、Twitterの拡散力や、アカウントが匿名で開設できるため気軽な投稿をしやすいことが要因ともいわれています。
炎上を避けるため、ツイート前に内容を何人かでチェックする体制を組むなど、対策を講じることをおすすめします。
画像の複数枚投稿や動画を投稿できるビジュアルがメインのSNS。テキストも入れられますが、商品やサービスを画像でユーザーに訴求するのに向いています。コスメやファッション、インテリアやグルメなど、テキストだけでは魅力を伝えにくいものにうってつけです。
リポストが簡単ではないため拡散性は低いのですが、コメントのやり取りもでき、そのほかストーリーズという24時間限定の投稿内ではアンケート機能などもあるので、ユーザーとのコミュニケーションもできるようになっています。
アカウントの認知アップ施策としては、ユーザーにオリジナルのハッシュタグを付けて画像を投稿するように呼びかける、ハッシュタグキャンペーンなどがあります。
Instagramの活用ポイントは、投稿画像の世界観を統一したり、投稿につけるハッシュタグを工夫することがよく知られています。そのほかにも、アルゴリズム対策として、発見タブに表示されやすいリールを投稿したり、ユーザーの閲覧時間を伸ばすために複数枚投稿の何枚目かに動画を入れるなどが挙げられます。
Facebookは他のSNSと比べ、サービス開始が早かったこともあり、全世界規模でユーザーが多く、比較的年齢層の高いユーザーが中心になっています。
特徴は、実名登録が義務付けられていて、生年月日や職業なども記載できるため、ユーザー情報が豊富なところ。ターゲットを絞りやすく、精度の高い広告セグメントの運用ができることがメリットです。
インスタグラムやTwitterに比べて文章量を多く投稿できるので、オウンドメディアの記事に関する投稿、企業の情報発信などに利用できます。
若年層の利用率はかなり低く、活用が減ってきていますが、日本よりも利用率が高い海外のユーザーをターゲットにするときや、充実した広告機能を運用したいなど、ビジネスシーンで利用したいツールです。
SNSの活用に成功した事例3選
SNSを上手に活用している企業の事例を紹介します。
【Twitter】三井住友カード
運用目的と方針を明確に定め、段階的に戦略を変える手法が功を奏し、着実にアカウントを成長させているケースです。
「キャッシュレスの良さを気軽に知ってもらうこと」「多くのユーザーとのつながりを持つこと」を目的にTwitterの運用を開始。
ステップを2つのフェーズに分け、最初のフェーズではユーザーとのつながりを第一に、アカウント自体に親しみを持ってもらうため、いわゆる「ゆるい投稿」を中心に発信していました。
金融機関の堅いイメージを払拭するため、他のアカウントとのコラボ企画やコンテンツなども盛り込み、リーチを広げることに注力していたそうです。
そして、第2フェーズでは、「キャッシュレスといえば三井住友カード」というイメージづけと、自社サービスを選択してもらうようコミュニケーションに注力。リーチよりもエンゲージメントを重視しています。
第1フェーズで築いたユーザーとの関係を大切に、「キャッシュレスの良さを伝えるためのもの」「三井住友カードのプロダクトに関する認知と理解向上」「ブランドに関する情報」という3つの方針に沿ったツイートで運用しています。
長期スパンで運用することで、現在は22.6万フォロワーにまで成長しています。
参考:『Twitter活用事例 三井住友カードの中の人に聞く、Twitterアカウント立ち上げから成長までの秘訣』
【複数のSNSを特徴に合わせて運用】Kurashiru
「クラシル」はオウンドメディアとアプリだけではなく、Facebook・Instagram・Twitter・YouTube・TikTok・LINEといったSNSを活用し、SNSの総フォロワー数が1,000万を突破しました。
全ての動画レシピをプロが考案、作成するというコンテンツのクオリティの高さに加え、ユーザーのアクションからニーズを汲み取り、内容や投稿するSNSを検討しています。
それぞれのSNSに合ったコンテンツ――例えば、拡散性は低いが保存機能のあるInstagramはストックしたいレシピの投稿を、拡散性が高いTwitterでは共有したくなるような投稿を発信しています。
スマホアプリダウンロードへの導線をあからさまに見せるのではなく、ユーザーの共感や信頼を集めファンを増やすことが、ひいてはサービスの成功を叶えるポイントになった事例です。
参考:『国内No.1のレシピ動画プラットフォーム「クラシル」、SNSの総フォロワー数が1,000万を突破 Instagramは「レシピのストック」、YouTubeは「基礎を学習」の傾向』
【Facebook】メルセデス・ベンツ日本
ターゲットを絞りやすく、広告機能が豊富なFacebookの特徴を活用し、購入検討層へのアプローチを実施した事例。
Facebookのユーザー層もメルセデス・ベンツ購入検討層に重なり、各ターゲットの好みに合わせた車種を広告として掲載することができたため、クリック率やお問合せが増加。ターゲティングの成果が現れました。
参考:『メルセデス・ベンツ日本 自動車インベントリー広告で購入検討層へ宣伝』
まとめ
オウンドメディアでSNSを活用するポイントや効果などを紹介しました。
今後、オウンドメディアが認知拡大を目指すには、情報発信が一方的なWebサイトだけでなく、ユーザーとの相互コミュニケーションが可能で、情報のシェアができるSNSの運用が必要になるでしょう。
ますます利用率が高まるSNSをうまく活用するには、今回紹介したそれぞれのSNSの特色を把握し、目的やターゲットを明確にした上で運用することが大切です。
オウンドメディア運営担当の方は、ぜひSNSも取り入れてみてください。