採用広報とは、オウンドメディアや各種SNSなどで自社の情報を発信すること。情報量は増える一方、少子高齢化によって人材が減少しつつある現代の日本で、理想とする人材を獲得するために欠かせない手法になりつつあります。本記事では採用広報の意味や担当部署を始め、具体的な進め方や採用広報が重要な理由などを紹介します。
採用広報とは?意味や担当部署について
人材獲得競争が激化している中で、採用広報の重要性が高まっています。まずは、採用広報の意味と担当部署から見ていきましょう。
採用広報は企業が自社をアピールする活動
採用広報とは、自社の情報や魅力などを求職者に向けて発信する活動のこと。パンフレットの配布や企業説明会の実施、採用サイトの運営といった従来のものだけでなく、SNSやオウンドメディアの運用など、現代にマッチした手法・媒体で自社をアピールします。
人事や広報が協力して行う
“採用”と“広報”という言葉が一つになっている、採用広報。どの部署が担当するという決まりはありませんが、一般的には人事と広報が協力して行います。
なぜならば、採用の領域は人事担当が、広報の領域は広報担当の方が経験や知識が豊富だからです。採用広報は人事と広報が協力し合い、お互いの得意分野を担当することが求められます。
また、採用広報は活動を通して多くの求職者に自社を知ってもらうこと、そして「入社したい」と思ってもらうことが最大の目的です。自社をアピールするには自社の理解を深めることが必要不可欠ですので、採用広報は他部署にも協力してもらいましょう。
【4ステップ】採用広報の進め方
採用広報に取り組む際は「誰に対して・何を・どこで伝えるのか」を明確化することから始めましょう。採用広報の進め方を4つのステップに分けて詳しく紹介していきます。
1.ペルソナや目的を設定する
採用広報で重要なのは「どんな人材を求めているのか」というペルソナと、「何のために情報を発信するのか」という目的を明確にすることです。ペルソナや目的を設定しないまま情報を発信しても、自社が求める人材の興味を引くことはできません。
まずは、新卒採用なのか中途採用なのか、採用ターゲットを決めます。その上で、知識やキャリア、趣味や行動特性など、自社が求める人材像を深堀りしてペルソナを設定しましょう。
採用広報の目的は、自社が抱える課題から紐解けます。例えば、認知度が低いことで応募者が集まらないのならば、採用広報を通して自社の存在を多くの人に知ってもらう必要があります。
反対に、認知度が高く応募者は集まるものの、入社後の早期退職率が高い企業であれば、採用広報で自社の魅力をアピールして内部を知ってもらうと良いでしょう。
ペルソナと目的は、言うならば採用広報の軸となるもの。この2つをしっかり設定するか否かで、採用広報の成功が左右すると言っても過言ではありません。
2.発信する内容を考える
採用広報の発信内容を決める際は、自社の理解度を深めることが重要です。まずは、事業内容や企業理念だけでなく、文化や福利厚生、社員の年齢層など、自社の魅力を改めて把握しましょう。
その上で発信内容を考えていきます。認知度の向上が目的の場合は事業内容や理念などを発信する、自社の魅力をアピールしたい場合は社員インタビューや社内の日常風景を発信するなど、ペルソナ・目的に合う内容にすることが大切です。
3.採用広報の発信方法を決める
発信する内容が決まったら、次は「ペルソナに届く媒体・手法は何か」を考えます。採用広報で用いられることの多い媒体・手法は次の通りです。
<採用広報で用いられる主な媒体・手法>
- SNS(Twitter、Instagramなど)
- note
- オウンドメディア
- 採用オウンドメディア(Wantedlyなど)
それぞれの媒体・手法には、メリットだけでなくデメリットもあります。迷った時は「ペルソナがよく利用するのか」「届けたい情報をすべて掲載できるのか」「運用・管理は難しくないか」という3点を念頭に置いて考えると、自社に合う発信方法が見えてくるでしょう。
4.目標やKPIを設定する
採用広報を成功させるには、目標達成の度合いを定量化して評価するKPI(重要業績評価指標)の設定が重要です。採用活動全体のKPIと、採用広報におけるKPIの例は次の通りです。
<採用活動全体のKPIの例>
- 応募者数
- 選考通過率
- 内定率
- 入社後の離職率
- 採用コスト、単価
<採用広報におけるKPIの例>
- ブログ記事・採用ページのPV数
- SNSの表示回数
- SNSのフォロワー数
KPIは自社の認知から自社への応募、つまりゴールまでのプロセスを細分化した上で、それぞれに数値を設定しましょう。そうすることで、採用広報の結果が出ない時の軌道修正がしやすくなります。
採用広報が重要な3つの理由
現代の日本で採用広報が重要視されるようになったのは、時代、働き方、メディアの変化が深く関係しています。なぜ採用広報が重要なのか、そして取り組むとどのように課題を改善できるのか見ていきましょう。
1.採用活動が以前よりも困難になっているから
現代の日本は少子高齢化が進み、人材難に陥っています。それにより、求人情報を出しても応募者が思うように集まらない企業が増加。現在は売り手市場であり、限られた人材を他社と取り合う、または数ある企業の中から「求職者に選ばれる企業」になる必要性が高まっているなど、採用活動が以前よりも困難になっています。
採用広報に取り組み、各種SNSやオウンドメディアなどで自社の情報を発信すると、自社の認知度が向上。それにより、転職顕在層だけでなく潜在層にも自社の情報が届き、転職時は自社に応募をしてもらえる可能性が高まります。
2.働き方の多様化をアピールできる良い場だから
働き方改革の推進や新型コロナウイルスの流行などにより、求職者が就職先に求めるものに変化が現れつつあります。よく聞かれるのは、リモートワークやフレックスタイム制の導入、副業などです。採用広報に取り組むことで、リモートワークの導入を始めとする働き方の多様化をアピール可能です。
また、情報化社会が進む現代では、透明性のある情報が求められています。自社の多様な働き方や魅力的な制度を発信することで、求職者の企業への理解が深まります。それにより、求職者と企業のミスマッチを防げるでしょう。
3.求職者の目に入るメディアが急増しているから
従来、採用活動を行うメディアは求人サイトなど限られたものでしたが、現在はオウンドメディアやSNSなど、採用広報に適したメディアが急増しています。メディアの急増に伴い、求職者は自ら情報を探すようになりました。つまり、従来の方法では自社の存在を多くの求職者に知ってもらうのは難しいのです。
採用広報に取り組み、ペルソナがよく利用するであろうメディアで情報を発信すれば、自社の存在を知ってもらえる可能性が高まります。また、自社の魅力をアピールすることで、母集団の形成や就職・転職先の候補になれる確率も高まるでしょう。
「Wantedly」を広報活動に活用する方法
300万人以上のユーザーが登録している採用オウンドメディア・Wantedly(ウォンテッドリー)。実は、Wantedlyの機能を採用広報として活用可能です。ここではWantedlyの魅力や採用広報としての活用方法、運用代行サービスを紹介します。
「Wantedly」は共感でマッチングする採用オウンドメディア
Wantedlyが従来の求人サイトと大きく異なるのは「給与の掲載NG」という点。なぜならば、Wantedlyは企業と求職者が“共感”でマッチングする採用オウンドメディアだから。給与や待遇ではなく、企業の理念や価値観などに共感してくれた求職者と出会えます。
また、Wantedlyは登録時に企業の採用HPが与えられ、フォーマットに沿って進めるだけで簡単に採用ページが作成できます。
ストーリー機能をオウンドメディア代わりに
Wantedlyには、ブログを作成できるストーリー機能があります。ブログはオウンドメディア代わりにするなど、採用広報ツールとして活用可能です。
ストーリー機能は構成や内容に決まりがなく、自由に発信できます。例えば、リモートワークなどの働き方や制度の紹介記事、社員へのインタビューや社内風景を伝える記事など、採用ページでは伝えきれない自社の魅力を存分にアピールできます。
また、Wantedlyで作成したページは、Google検索の1ページ目に表示される確率が高いのも魅力です。
運用代行サービスを活用する方法も
Wantedlyはストーリー機能を採用広報として活用できる他、ダイレクトスカウト機能で気になる求職者に直接アプローチすることも可能。共感でマッチングする新しいカタチの採用オウンドメディアなので、入社後のミスマッチを防ぎやすいなど、魅力が豊富です。
しかし、メインページやブログの作成など、基本的にはすべて自社で行う必要があります。そのため、人手やノウハウが不足している企業だと運用が難しいこともあるかもしれません。
そんなお悩みは、株式会社リファイドのWantedly運用代行サービスを活用することで解消できます。リファイドは、メインページや募集記事、ストーリー記事の作成だけでなく、スカウトテンプレートの作成も担当。その他にも、応募者への一次対応や応募者の管理も代行可能です。
Wantedlyの導入を考えている段階でも、何かお困りごとがありましたらお気軽にお問い合わせください。
採用広報で自社の魅力を積極的にアピールしよう
他社との人材獲得競争に勝つため、自社の理想とする人材を獲得するためには、採用広報への取り組みが欠かせません。適切な媒体・手法で採用広報に取り組み、自社の魅力を広くアピールすれば、認知度や採用活動の成功率が高まることでしょう。
Wantedlyには興味があるけれど何から始めれば良いのか分からない、ストーリー記事を採用広報として活用するやり方を知りたいなど、どんなことでもまずはリファイドへ一度ご相談ください。豊富な経験と事例をもとに、最適な方法を提案します。