採用マーケティングは、自社に合う人材を獲得する仕組みづくりのこと。ペルソナやカスタマージャーニーの設計、採用チャネル・訴求内容の見直しなどを行い、採用活動の効率化を図ります。今回は、採用マーケティングの意味と注目される理由、導入するメリット、具体的な進め方などを紹介します。
採用マーケティングとは?採用ブランディングとの違い
採用活動をスムーズにするために多くの企業が導入している、採用マーケティング。似た言葉として採用ブランディングがあります。まずは両者の意味と違いから見ていきましょう。
採用マーケティングの意味
ビジネス用語として誕生したマーケティングは販売方法ではなく、製品やサービスを売る仕組みづくりを指します。これを取り入れたものが採用マーケティングです。採用ターゲットのニーズを分析し、どのような手法でアプローチするか考えて採用活動の効率化を目指します。
採用ブランディングとの違い
採用ブランディングとは、自社のブランド力やターゲットからの興味関心度を高めるため、SNSやブログなどで魅力を発信する手法です。
<採用マーケティングとブランディングの違い>
- 採用マーケティング:採用活動の仕組みづくり(外側からは見えない)
- 採用ブランディング:求職者に対して自社の魅力を発信する(外側から見える)
採用マーケティングが注目される3つの理由
多くの企業が採用マーケティングを取り入れる理由には、昨今の日本の状況が深く関係しています。注目される理由として、人手不足の深刻化・採用チャネルの多様化・新卒採用の通年化の3つに焦点を当てて紹介します。
1. 人手不足の深刻化
現在の日本は少子高齢化が止まりません。それに伴い、特に若い世代の労働人口が減少しています。
リクルートワークス研究所が行った、2022年卒の大卒求人倍率調査※の結果からは、求人総数よりも就職を希望する学生の数が大幅に下回っていることが分かります。
- 全国の民間企業の求人総数:67.6万人
- 学生の民間企業への就職希望者数:45.0万人
つまり、現在は売り手市場であり、単に求人を出しただけでは応募者が集まりにくい状況というわけです。優秀な人材を獲得するには、他社との競争に勝たなくてはいけません。
※リクルートワークス研究所「第38回 ワークス大卒求人倍率調査(2022年卒)」
2. 採用チャネルの多様化
これまで、採用チャネルと言えば求人広告や人材紹介会社などの利用が一般的でしたが、最近ではダイレクトリクルーティングやソーシャルリクルーティング、リファラル採用など、選択肢が増加しました。
求職者への効果的なアプローチ方法は、採用チャネルによって異なります。無駄のない戦略的な採用活動を実現するため、採用マーケティングにて適した採用チャネルを選定していきます。
3.新卒採用の通年化
最近は新卒採用の通年化が進んでいます。従来の一括採用では、採用活動を行う時期やフローは限定的でした。しかし、通年採用では1年を通して採用活動を行うため、採用フローに変化が生じます。
通年採用を取り入れる場合、今まで通りのやり方では理想とする人材の獲得が難しいかもしれません。そこで、採用マーケティングを導入してフローや手法などを見直していくのです。
採用マーケティングを実践する3つのメリット
採用マーケティングを取り入れると、マッチ度の向上や採用コスト減に期待ができます。その理由を見ていきましょう。
1.自社の理想とする人材からの応募が見込める
採用マーケティングでは、ペルソナへ効果的な訴求内容を各プロセスで考えていきます。その結果を踏まえ、訴求内容や採用チャネルなどを最適化。そうすれば、理想とする人材が多く含まれる母集団を形成でき、直接的なアプローチが可能となります。
2.ミスマッチの防止につながる
採用マーケティングでは、ペルソナの設定が必須です。ペルソナに適した採用活動を行うことで、マッチ度の高い母集団を形成できます。
また、自社の魅力や考え方、働き方などを発信するため、応募者は応募の段階で自社のことをある程度理解した状態です。入社後に理想と違い早期退職するといった、採用のミスマッチ防止につながります。
3.採用コストの削減が期待できる
先述しているように、採用マーケティングではペルソナに適した採用チャネルを選択します。それにより不要な採用チャネルにかかる費用を削減できるため、採用コストを抑えられるでしょう。
また、ミスマッチを防止できると離職者が減りますので、採用活動を頻繁に行う必要がなくなります。長期的な観点からしても、採用や育成にかかるコスト削減に期待ができます。
採用コストについて詳しくはこちらの記事も確認してください。
【6STEP】採用マーケティングの進め方
自社の分析から振り返りまで、採用マーケティングは6つのステップを経て進めていきます。それぞれのステップの進め方を紹介します。
STEP1.自社の分析をする
採用活動を成功させるには、まず自社を知ることが大切です。自社の強みと弱み、魅力、経営理念などを紙に書き出し、再認識していきます。
なお、採用マーケティングの進め方に自信が持てない場合は、この段階で他社の事例をチェックしてみると参考になるでしょう。
STEP2.採用ペルソナを設定する
自社分析から出た結果を踏まえ、自社の理想とする1人の人材像を表す“採用ペルソナ”を設定していきます。
最初からペルソナ設定をするのも良いですが、まずは基準となる“採用ターゲット”を考える方法もあります。「どんな人材を求めているのか」を考え、ざっくりとしたターゲットを決めてから内容を掘り下げていくのです。年齢・性別・経歴・スキル・性格・価値観など、1人の架空の人物を作り上げ、ペルソナを設定しましょう。
STEP3.カスタマージャーニーを設計する
ペルソナの次は、カスタマージャーニーを設計していきます。採用活動におけるカスタマージャーニーとは、「求職者の情報収集→企業の認知→応募→選考→内定」までの流れを表すものです。
流れを可視化することで、ペルソナの考え方や行動を深く理解できます。それによって、どのフローでどのように訴求していけば良いのか見えてくるでしょう。
STEP4.ペルソナに訴求する内容を決める
カスタマージャーニーによってペルソナの興味や行動が見えてきたら、次は訴求内容を考えていきます。ここで大切なのは、ペルソナ目線になることです。どんなニーズを持つのか、どんな表現・内容に興味を示すのか掘り下げて考えていきましょう。
STEP5.採用チャネル・手法を見直す
ペルソナの設定→カスタマージャーニーの設計→訴求内容の決定と進むと、理想とする人材のニーズや行動・思考パターンなどがある程度把握できているはず。それを基に、採用チャネルの見直しを行います。主な採用チャネルは次の通りです。
求人広告 | 紙媒体の求人広告・求人サイトを利用する |
人材紹介 | 自社に合う人材を人材紹介会社に紹介してもらう |
リファラル採用 | 社員に人材候補を紹介してもらう |
ダイレクトリクルーティング | 企業が気になる人材に直接アプローチする |
ソーシャルリクルーティング | 各種SNSを使って採用活動を行う |
オウンドメディアリクルーティング | 自社ブログで情報を発信し、魅力を届ける |
なお、新卒・中途採用によって確認すべきポイントは次の通りです。
- 新卒採用:新卒採用サイトに登録している学生の特徴や傾向を調べる
- 中途採用:求めるスキルや職種の人材が多く存在するチャネルを選ぶ
STEP6.振り返りを行い改善につなげる
採用マーケティングは、振り返りを行い改善していくことで採用活動の精度を高められます。振り返りを行う際は、以下の項目を確認すると良いでしょう。
- 求人ページ・SNS・オウンドメディアのPV数
- スカウトメールの開封率
- 応募者数
- 面接数
- 内定数
- 辞退数 など
これらの項目を数値として把握することで、改善すべき採用課題が見えてきます。
ダイレクトリクルーティングは「Wantedly」で
新しいカタチの採用オウンドメディアとして注目を集める、Wantedly(ウォンテッドリー)。求職者と企業が“共感”でマッチングする点が最大の特徴とも言えます。登録ユーザー数は300万人、企業数は45,000社以上と、多くの求職者・企業が利用中です。
Wantedlyはダイレクトスカウト機能があるので、気になる求職者に直接アプローチが可能です。ここではWantedlyの特徴と運用代行サービスについて紹介します。
「Wantedly」なら採用広報・母集団形成・募集などが完結
Wantedlyでは、募集・採用広報・母集団形成・アプローチなど、採用活動が完結します。
- 会社のメインページ:採用HPとして使える(募集)
- ストーリー機能:ブログで自社の魅力を発信できる(採用広報・母集団形成)
- ダイレクトスカウト機能:気になる求職者にスカウトを送れる(アプローチ)
また、Wantedlyは利用期間中なら募集を無制限に掲載可能です。新卒・中途採用はもちろん、インターンや業務委託なども募集できます。
Wantedlyは、これらの機能・サービスで利用料金は月額4.5万円から。採用活動の効率化だけでなく、コスト削減にもつながります。
「Wantedly」の運用代行サービスという選択肢も
Wantedlyは活用次第で採用活動の幅が広がりますが、基本的にはすべての工程を自社で行うサービスです。ブログの更新やダイレクトメールの作成・送信など、こまめな作業が難しい企業も多いかもしれません。
そんな企業におすすめなのが、このオウンドメディアを運営している株式会社リファイドの「Wantedly運用代行サービス」です。自社採用をWantedlyで完結しているノウハウを活かし、企業のサポートを行います。Wantedly運用でお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
採用マーケティングを取り入れて理想の人材の獲得を
採用活動の基盤とも言える、採用マーケティング。工数は多いですが、その分だけメリットもあるので採用活動に行き詰まっている企業は導入してみてはいかがでしょうか。各フローを見直すことで、理想の人材を獲得できる期待値がアップするでしょう。
また、新しい採用チャネルとしてWantedlyを検討している場合は、ぜひ運用代行サービスも選択肢に。些細なことでも、ぜひリファイドまでご相談ください。