採用ペルソナとは、自社の求める人物像のこと。漠然としたものではなく、年齢や性別、年収、経歴など細部まで設定していくことで、1人の人物像を作り上げていきます。今回は、採用ペルソナの意味と採用ターゲットとの違いを始め、ペルソナの重要性と作り方、採用活動への活かし方を具体的に紹介していきます。
採用ペルソナとは?意味と採用ターゲットとの違い
採用活動以外の場でも見聞きすることのある“ペルソナ”という言葉。もともとはマーケティング用語であり、似たものとして“ターゲット”もあります。まずは採用ペルソナの意味と、ターゲットとの違いを見ていきましょう。
採用ペルソナとは自社が求める理想の人物像
ペルソナとは、自社の製品やサービスを利用する架空のユーザー像のこと。性別や年齢、趣味、思考などを詳細に設定し、自社製品・サービスの販売戦略に活かします。
そして、その手法を採用活動に活用したものが”採用ペルソナ”です。設定すると採用すべき人物像が明確になる、効率的なアプローチができるなど、採用活動がスムーズに進みます。
採用ターゲットとの違いは設定の詳細度
ペルソナとターゲットはともにマーケティング用語ですが、設定の詳細度に違いがあります。中途採用のペルソナとターゲットを例に見ていきましょう。
ペルソナは1人の人物像を作り上げるため、詳細まで設定するものです。
- 例:38歳、女性、既婚、年収450万円、営業支援グループ(課長)、趣味はテニス
一方、ターゲットは基本の人物像を作り上げるもので、設定に幅があります。
- 例:30代、年収400~500万円、営業経験あり
採用活動をよりスムーズに行うためには、採用ターゲットではなくペルソナを設定することが重要です。その理由は次の章で紹介していきます。
採用ペルソナの設定が重要な3つの理由
採用ペルソナの設定が重要な主な理由は「求める人物像の認識を統一できる」「ミスマッチ防止につながる」「自社の魅力を発信できる」の3つです。ここではそれぞれの理由を解説していきます。
1.求める人物像の認識を社内で統一できる
採用ターゲットはざっくりとした人物像のため、現場が求める人材と採用担当者が採用する人材の認識にズレが生じることがあります。なぜならば「30代、年収400~500万円、営業経験あり」と聞いて思い浮かべる人物像は人によって異なるからです。
採用ペルソナを設定して求める人物像の認識を社内で統一すると、採用活動がよりスムーズに進みます。
2.入社後のミスマッチ防止につながる
「入社したもののイメージと違った」「思うように活躍できない」など、ミスマッチを感じた社員は離職を考えます。
実際、2021年に厚生労働省が発表したデータ※によると、就職後3年以内の離職率は新規高卒就職者が36.9%、新規大卒就職者は31.2%にも上ります。
人材の獲得には時間もコストもかかるもの。社内の認識のズレはミスマッチにつながるため、採用ペルソナを設定して自社に合う人材を獲得することが重要です。
3.自社の魅力を求職者へ存分に伝えられる
少子高齢化が進む日本では、新卒採用・中途採用ともに売り手市場が続いています。昔と違い、求人広告を出しても応募が集まらないこともあるでしょう。
理想の人材を獲得するには、自社に入社するメリットを求職者に感じてもらう必要があります。そこで役立つのが採用マーケティングです。ペルソナを設定した上でSNS広告やメディアでの発信をすることで、自社の魅力を求職者へ伝えられます。
採用ペルソナ設計に欠かせない3つの項目
採用ペルソナを設定する際は、基本情報・仕事に関する内容・パーソナルな内容の3つを考えていきます。これら3つすべてがマッチして、初めて“理想の人材”となるのです。具体的にどのような項目を設定するのか見ていきましょう。
性別や年齢などの「基本情報」
ペルソナを設定する際は、以下のような基本情報から考えていきます。
- 性別、年齢、家族構成、年収、学歴 など
スキルや経験などの「仕事に関する内容」
ミスマッチを防ぐには人材の経験やスキルも重要のため、仕事に関する内容も設定します。
- 職歴、役職、仕事内容、スキル など
価値観や思考などの「パーソナルな内容」
ペルソナの基本情報や仕事に関する内容が求職者と一致していても、必ずしも自社にマッチするとは限りません。求職者の価値観や思考が自社とマッチしないと、業務の中で不満が溜まり離職につながってしまうからです。そのような事態を避けるために、ペルソナ設定ではパーソナルな内容も考えます。
- 価値観、思考、性格 など
採用ペルソナの作り方4ステップ
採用ペルソナを設定する際はいきなり項目を書き出すのではなく、採用の目的を明確にすることから始めます。ここでは採用ペルソナの作り方を4つのステップに分けて解説します。
1.なぜ採用するのか「目的」を明確にする
採用ペルソナを設定する前に、まずは「なぜ採用をするのか」「どんな人材が必要なのか」という目的を明確にします。なぜならば、欠員補充のための採用と新規事業立ち上げのための採用では、求める人物像が異なるためです。
目的を定める際は、採用担当者だけでなく現場の声も反映させましょう。
2.求める人物像を洗い出し、採用ペルソナを設定する
定めた目的をもとに、採用ペルソナの設定に入ります。まずは思いついた条件を紙に書き出していきましょう。数ある条件の中から優先順位をつけて整理していき、ペルソナを設定します。設定する項目は新卒・中途採用によって若干異なります。
新卒・中途採用で共通 | 性別、年齢、学歴、家族構成 |
新卒採用 | 部活動・アルバイトの経験、学生時代に頑張ったこと、就活に関する悩み |
中途採用 | 経歴、現在の職種、年収、仕事に関する悩み |
なお、採用ペルソナを限定すると母集団をうまく形成できないことがあるため、複数設定することが大切です。
3.採用ペルソナを社内で共有して見直す
採用ペルソナが設定できたら社内で共有し、経営陣や現場の意見をもらいます。認識のズレがあった項目は修正し、完成度の高いペルソナに仕上げます。
ただし、理想をペルソナに詰め込みすぎるのは危険です。採用活動を始めてもペルソナとマッチする人材と出会えない可能性があるため、理想と現実のバランスを考えた上で設定しましょう。
4.採用ペルソナを採用活動に落とし込む
ペルソナの設定が完了したら、実際の採用活動に活かしていきます。選考が終わってから採用ペルソナを見直し、ブラッシュアップしていくことも忘れずに。
なお、採用ペルソナを採用活動に活かす具体的な方法は次の章で解説します。
設定した採用ペルソナを採用活動に活かす方法
採用ペルソナは選考の段階だけでなく、募集の時点で活用することが大切です。ここでは、設定したペルソナを採用活動に活かす方法を2つ紹介します。
採用ペルソナがいる媒体を選ぶ
ペルソナが存在しない、または少ない採用媒体・手法を利用していては、採用にはなかなかつながりません。採用ペルソナを設定したら、採用媒体・手法の見直しが必須です。
新卒採用の場合はどんな学生が多く登録しているのか、中途採用の場合はどんな職種の人材がいるのかなどを比較した上で、最適な採用媒体・手法を見つけましょう。
採用ペルソナの興味関心をひくスカウトメールを作成する
採用媒体・手法の見直しが完了したら、募集要項やスカウトメールの文面をペルソナの興味関心をひくものにアップデートします。
例えば、子育て世代の社員を求める場合は「柔軟な働き方に対応」と、新卒採用なら「会社と一緒に成長を」とするなど、ペルソナの心に刺さる文面にすることで「この会社に入社したい」と思わせるのです。
採用ペルソナへのアプローチは「Wantedly」で
給与の掲載がNG、そして“共感”でマッチングするのが最大の特徴と言える、Wantedly(ウォンテッドリー)。月額4.5万円からという低コストながら、新卒から中途、インターンまで幅広い職種・形態の採用ができるとあって、40,000社以上の企業が登録しています。
Wantedlyではダイレクトスカウトができるので、採用ペルソナへのアプローチに最適です。ここではWantedlyの特徴と運用代行サービスを紹介します。
「Wantedly」ではダイレクトスカウトができる
Wantedlyのダイレクトスカウト機能では、データベースの中から見つけ出した気になる候補者へ直接メッセージを送信できます。最大の魅力は、返信率の高さ。他社が2~8%程度なのに対し、Wantedlyの平均返信率は約20%です。
採用ペルソナの条件と一致する候補者に直接アプローチすることで、採用への道が短縮されるでしょう。
「Wantedly」の運用代行サービスで採用活動の効率化を
Wantedlyにはダイレクトスカウト機能の他に、ブログ記事を更新できるストーリー機能もあります。そこで自社の魅力を発信することで、候補者からの共感につながります。
ただ、Wantedlyの運用は基本的にすべてを自社で行う必要があるため、思うように活用できていない企業も多いかもしれません。そんな企業におすすめなのが、株式会社リファイドが提供しているWantedlyの運用代行サービスです。
<リファイドができること>
- メインページ作成
- 募集記事作成
- ストーリー記事作成
- スカウトテンプレート作成
- 応募者への一次対応
- 応募者の管理
これまで培ってきたノウハウを活かし、最適なサポートを行います。Wantedlyの運用にお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
自社の求める採用ペルソナを設計し、理想のマッチングを
自社の求める人物像を細部まで設定する、採用ペルソナ。選考時だけでなく募集の段階から活かすことで、理想の人材と出会える可能性が高まるでしょう。
採用媒体・手法の見直しをする際は、Wantedlyも候補に入れてみてはいかがでしょうか。運用に関することは、ぜひリファイドまでお気軽にご相談ください。